演劇ニュース | 演劇ライフ

2010/12/1()

出演者すべてが男!シェイクスピアの名作『アントニーとクレオパトラ』稽古場取材!!

アントニーとクレオパトラ』の稽古場を取材した。
アントニーとクレオパトラ1

▲マーク・アントニー役の平幹二朗(左)とクレオパトラ役の松井誠(右)

演劇史に現在でも名を轟かせている天才劇作家・シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』は、大人の男女の愛憎劇を縦糸に、大国ローマにおける政治闘争を横糸に織り成されるスペクタクル史劇だ。『ロミオとジュリエット』での無垢な若者たちの純愛悲劇とは打って変わって、本作では成熟した中年男女ならではの目まぐるしい恋愛模様が、激烈なエネルギーをもって描き出されていく。
クレオパトラへの愛に狂ったかつての名将マーク・アントニーに扮するのは、威風堂々たる存在感で常に舞台上を圧倒的な劇空間に変貌させる名優・平幹二朗。本作は、彼が長年上演を待ち望んできた作品なのだという。<運命の女>クレオパトラを演じるのは、艶やかな女形としてのみならず大衆演劇界を超えた活躍を見せている松井誠。二人の恋沙汰に業を煮やし、政敵を巧みに操って暗躍する若きローマの政治家オクタヴィアヌス・シーザーには、狂言師・和泉元彌が扮する。そのほか、今井清隆深沢敦松田洋治原田優一本多力光枝明彦といった演劇界を代表する俳優陣が脇を固めている。潤色は斎藤栄作。演出は板垣恭一
また、すべての登場人物を男優のみで演じるというのも大きな見所の一つ。さらに、複雑な5幕構成をコンパクトにし、時に切なく、時に滑稽な登場人物たちの心の機微を丹念に描写する潤色がなされたことで、より濃密な恋愛ドラマを堪能できそうだ。
アントニーとクレオパトラ7

記者は第二幕の稽古の様子を見学させてもらった。目の前で繰り広げられる怒涛の歴史スぺクタルはまさに圧巻で、観る者を太古ローマの恋愛史劇の世界へといざなう。マーク・アントニーに扮する平幹二朗の演技は当時のアントニーに勝るにも劣らないぐらい力強く、胸に訴えかけてくるものがあり、まさに"魂の演技"といったところ。クレオパトラに扮する松井誠は妖艶で、垣間見せる女の強さには思わずドキリとしてしまう。またオクタヴィアヌス・シーザーに扮する和泉元彌は猛々しく人間味に溢れ、本作でのアンチヒーローを好演している。シェイクスピアのファンのみならず、シェイクスピア未経験の方でも楽しめる良作に仕上がっている。本作が今世紀の演劇史に刻まれることはまちがいないだろう。
また公演を企画した赤坂雅之さんに製作秘話を伺ったところ「だいぶ以前から一度やりたいという思いがずっと僕の中にあった。しかし、やるには厄介なコトがあった。というのは、原作の五幕というのをどこまで今の演劇の時間内に収めるかというコトと、膨大な人数が出るのでそこをどういう風に縮めていくかというコト。それに、誰にクレオパトラをお願いしたらいいだろうかというコトもあったので、なかなか難しいなぁという思いがあった。それが大衆演劇界で女形もやられている松井さんに出ていただけることとなったところで、やっと自分なりに整理がついて異種格闘技じゃないけども、男ばっかりでやってみようと決まった」と語った。
また本作の魅力について「作品では最後に男と女の地位とか云々よりも愛をとっていくその堕ちていく哀れさみたいなものが非常によく出来ている。それがよく表れているし、2時間半程でうまく収めている部分ではお客様には見やすく、わかりやすいんじゃないかと思います」と述べた。
アントニーとクレオパトラ3

今回はクレオパトラ役の松井誠さん、オクタヴィアヌス・シーザー役の和泉元彌さんに忙しい稽古の合間を縫ってインタビューに応じてもらいました。

Q,自分の出演しているシーンで一番見てもらいたいシーンは?

(松井)「場面場面で全体的に皆さん面白くて、でも一番見ていただきたいのはラストシーンです。それと、クレオパトラが面白いことを台詞で言ってるんですよね。そこも意外性があって楽しいんじゃないかと思います」
(和泉)「良いとこ取りの台本の中でさらにポイントで登場させていただいているので全部かと思うんですが、特に異質を放ってるのが二幕四場。だんだんと大人に成長していくなかで、オクティヴィアヌスの強さというのは決して清いだけではない事がすごく出ている。その場面ではそれまでのオクティヴィアヌスとはまた違った意味でのカッコよさというのを出せるように頑張っているので、そんな冷たい優しさだったり温かい怖さだったりっていう部分を見ていただけたらいいかなと思います 」

Q,松井さんにお聞きします。クレオパトラを演じるにあたってどんな役作りをしましたか?

(松井)「現代の女性の中でイメージしてみたんです。いろんな女優さんとか、ダイアナ元妃、エリザベス女王・・・。でも、クレオパトラに合う人って案外思い浮かばないんです。だから、私の中では"女王蜂"というイメージがあります。デンと構えて家来に食べ物を持って来させたり、みんなを顎で使うとか・・・、『私は女王様ですよ』という感じ。風格・品格がないとダメだと思ったので。それと女性の怖さですね」

Q,最後にお客さんにむけてのメッセージをお願いします

(松井)「普通の女性でも、男性によって恐ろしいとか悲しいとかいろんな感情を持つと思うんですよね、いろいろな男性にめぐり合い、騙されたり、恨んだり、憎んだり、焼餅を焼いたりとか・・・。そんな様々な感情を、抑えないでクレオパトラは全部表に出しちゃう。我慢しないで全部吐き出す。わがままだし、持っている感情が全て舞台に表れるんですね。ですので、それを女性の方々が見たら、もしかしたら発散してもらえるんじゃないかなって思っています」
(和泉)「元々がシェイクスピアの戯曲の中でも五幕という、大変長い時間をかけて歴史超大作を見るような作品だと思うんです。でも今回、それが二幕になって二時間半程度でご覧いただけるというのはすごく"良いとこ取り"というか"見所盛りだくさん"の作品だと思います。時代は、紀元前の話なので遠い歴史物語に感じるかも知れませんが、誰もが知っているマーク・アントニーという大英雄が、世界三大美女のクレオパトラに会ったところから、きっと誰も予想しなかった人生の最期を迎えるという作品です。ここまで劇的に、ここまで本当に愛のために生きて死んでいくことはなかなか出来ないと思うんです。だからこそ舞台でその熱さを楽しんで頂きたいと思います。だけど誰しも、多かれ少なかれ必ず一生に一人という出会いがあって、そのために頑張れたり許せたりとか、自分たちの中にもそういう熱いものがあるんだということを思い出しながら見ていただけると、ラストはきっといろんな意味で泣けるんじゃないかと思います。がむしゃらに愛に走っている若い人が見ても、人生の様々な経験を積んで「あぁ、この人と死んでいくだろな」という伴侶を持っている人も、もしくは終盤に差し掛かっている年配の方も、みんなきっと熱い思いをもって帰ることが出来る作品だと思うので、ぜひ最後までその期待をしながら、目を離さずにくまなく見ていただければいいなと思います 」
アントニーとクレオパトラ2

▲平幹二朗の魅せる"魂の演技"をぜひ生で体感していただきたい!

松井誠さんと和泉元彌さんお忙しいところありがとうございました!

男優のみの豪華キャスト描き切るシェイクスピア珠玉の恋愛史劇『アントニーとクレオパトラ』。
二人の恋の行方を決して見逃すな!

アントニーとクレオパトラ』は名古屋公演が11月27日(土)~28日(日)まで名鉄ホールで、東京公演が12月1日(水)~5日(日)までシアター1010で、神戸公演が11日(土)~12日(日)まで新神戸オリエンタル劇場で、福岡公演が14日(火)にキャナルシティ劇場にて行われる。

名古屋公演
[キョードー東海] 052-972-7466
東京公演
[キョードー東京] 0570-064-708
[シアター1010] 03-5244-1011
神戸公演
[新神戸オリエンタル劇場] 078-291-1100
福岡公演
[ピクニック]  092-715-0374

「アントニーとクレオパトラ」 (THEATRE1010) の感想・チケット・詳細情報なら演劇ライフ

『アントニーとクレオパトラ』 その他の写真

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