東京芸術劇場が改修前の締めくくりとしておくる、チェーホフ誕生150周年記念公演『チェーホフ?!―哀しいテーマに関する滑稽な論考』がいよいよ幕を開けた。初日に先駆けて行われた、プレビュー公演を取材してきた。
作・演出を担当するのは岸田戯曲賞に二年連続ノミネートされるなど話題の演出家タニノクロウだ。
既存の演劇とは一線を画す独自の演出が魅力のタニノクロウが、ドラマトゥルクに演劇批評家、ロシア芸術思想家の鴻英良をむかえ「チェーホフ」を題材に書きあげた新作『チェーホフ?!ー哀しいテーマに関する滑稽な論考』は全く新しい「チェーホフ劇」にしあがっている。
篠井英介、毬谷友子、蘭妖子、マメ山田、手塚とおるら、演出のタニノクロウが「非常にセクシー」と評する個性的なキャスト陣も実に魅力的だ。
【ストーリー】
本を持った少年が吹雪の中歩いている。突如あらわれた魔女に誘われて物語の世界に引きづり込まれてしまう。そこで少年が目にする幻想的なシーン。
語られるのは前近代的な世界観と近代的な世界観のせめぎ合い。少年の目をとおして体感するチェーホフの脳内世界・・・
医学を志した若きチェーホフによる奇術、魔術、ロシアの民間伝承などを記述した博士論文の草稿を元に、元精神科医のタニノクロウとドラマトゥルクの鴻英良が知られざるチェーホフの姿を紡ぎだしていく。
本作は台本を書く前に100枚以上のイラストを描きあげるという独特のアプローチで練りあげられた。
それが具現化された舞台美術には様々なトリックが含みこんである。
また照明による光と影のコントラストが秀逸で、シルエットをうまく活かし、絵本の中のようなヴィジュアルを作りあげていて、一気に観客を物語の中に引きずりこむ。
さらに舞台ツラの下に配置された楽団が生演奏を奏でていて、それに役者の歌もあわさり、聴覚的にもたのしい。
美術、照明、音楽、役者の身体表現が有機的に調和していてこれぞ舞台芸術といえる作品になっている。
今年の4月から改修工事のため全面休館となる東京芸術劇場で最後の"芸術"鑑賞はいかがだろうか?
『チェーホフ?!-哀しいテーマに関する滑稽な論考』は東京芸術劇場小ホール1にて2011年1月25日(火)~2月13日(日)まで上演される。
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