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2011/5/2()

蜷川幸雄演出!井上ひさし追悼ファイナル Bunkamuraシリーズ『たいこどんどん』上演開始!

井上ひさし追悼ファイナル Bunkamuraシリーズ『たいこどんどん』が5月1日(日)、Bunkamuraシアターコクーンにて上演開始した。
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▲井上×蜷川に豪華キャストを迎えて華々しく打ち上げる日本一の珍道中!撮影者・谷古宇正彦

2010年4月に逝去した井上ひさし。本作は、井上ひさしが直木賞受賞後の第一作として書いた小説『江戸の夕立ち』をみずから劇化、75年に放った快作である。ひょんなことから江戸から東北へ流れついた、江戸日本橋の薬種問屋の若旦那・清之助と、かけ出しのたいこもち・桃八がくりひろげる男二人のみちのく珍道中。社会は激変しいっても根本的なところで「なにも変わっちゃいない」日本への静かな怒りや、時代に不意打ちされつづける大衆への思いが熱くこめられた作品だ。
歌や、踊り、お座敷芸など笑いがあふれるエンタテインメントの底には、庶民に向けられた、作者井上ひさしの強い視線が2011年にもまた同じ強さで光り続ける。この物語の終景を書いたときの感想として井上ひさしは初演のパンフレットで次のように書いている。「・・・常に世の中が先行し、その世の中に庶民が歩調を合わせていくという茶番は、もうぼつぼつやめにしたらどんなものだろう(中略)われわれは世の中の主体であるという考え方は、いいかげん捨てたほうがいい。わたしたちはそれの客体なのだ」
この不朽の名作をこれまでも初期井上作品を次々と手がけてきた蜷川幸雄が、同劇場で挑む第5弾として世に送りだす!

出演は、品川の薬種問屋の跡取り若旦那"清之助"に扮するのは華とスケール感を合わせもつ、コクーン歌舞伎の牽引役でもある中村橋之助。それにお供する幣問"桃八"にはさまざまな舞台・映像で怪優ぶりを発揮している古田新太。テレビ、映画で活躍をつづけ、品のある色香と演技で魅せる鈴木京香が11年ぶりの舞台に立ち"袖ヶ浦"はじめ数役を演じ分けるのにも注目があつまる。さらに、蜷川作品には欠かせない個性と演技力が光る瑳川哲朗六平直政立石凉子、こまつ座『兄おとうと』で新境地を切り開いた宮本裕子。『ファウストと悲劇』につづき蜷川作品2度目の登場の大林素子など、これ以上ない贅沢なキャストが顔をそろえた!
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▲(写真左から)若旦那・清之助役の中村橋之助とたいこもち・桃八役の古田新太。撮影者・谷古宇正彦

【あらすじ】時は幕末。日本橋は駿河越後屋呉服店前の七つ時。たいこもちの桃八(古田新太)が、江戸で指折りの薬種問屋鰯屋の跡取り息子、清之助(中村橋之助)と待ち合わせをしている。折からの雷雨。人々が越後屋の貸し出す番傘をさして行き交うなか、蝙蝠傘をさした清之助が現れる。二人が目指すのは、若旦那ぞっこんの女郎、袖ヶ浦(鈴木京香)がいる品川小菱屋。そこで出会ったひげ侍たちとのひょんな諍いがもとで、二人は品川の沖を漂流するはめに。これが九年にわたる珍道中のはじまりとなった。

舞台は2幕構成で1幕が90分、15分の休憩を挟み2幕が90分の合計3時間ほどとなっている。 『たいこどんどん』熱量がハンパない。上演前日におこなわれたゲネプロ中、最終調整に余念がない蜷川の怒声がたびたび飛び交う。物語は歌に踊りにとエンタテインメントが存分に盛りこまれていて目でも耳でも楽しませてくれる。中村橋之助は道楽者の若旦那を歌舞伎でつちかった確かな演技力で演じきり、古田新太演じる陽気なたいこもちは古田のための役だと思いたくなるほどハマっている。彼らが披露する生歌と三味線は新鮮で意外な一面をかいま見ることができる。2人の息のあったかけあいに始終笑いがとまらなかった。 また物語ラストの古田新太演じる太鼓持ちのセリフがとても印象的で、作者・井上ひさしがこの本にこめたメッセージ、そして蜷川幸雄ほか出演者、スタッフの思いがひしひしと伝わってきた。
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▲(写真中央)女郎・袖ヶ浦演じるのは鈴木京香。艶と色気にあふれた大胆な役柄を演じている。撮影者・谷古宇正彦

ゲネプロ前に囲み取材がおこなわれ、演出の蜷川幸雄、出演の中村橋之助古田新太が登壇した。

 本作を上演する理由について蜷川幸雄は「井上さんに新作を書いていただくことになっていた。お亡くなりになったのでこの作品をやろうということになった」と明かしたうえで、「すごく楽しくて、全体でいうと鎮魂歌のような悲しみがある。うまく仕上がった」と自信をうかがわせた。 また蜷川から見たキャストの2人について「対照的な2人ですけど、これが息ぴったりで仲がいい。本がだいたいダジャレ、語呂合わせ、下半身、歌は長い、場面転換は多い、セリフは膨大。もうたいへんです。「井上め」と思いながらみんなニコニコやっている。ぜひ、見てください」とコメント。

 中村橋之助は蜷川の演出について「とてもこころ優しい方だなという印象でございます。ホントお稽古行くのが楽しかったです。井上先生のご本、演出が蜷川さん、相方が古田さんで僕は三重苦だと覚悟していたんですけど、毎日たのしく過ごさせていただいていいのかなぁと思うぐらいです」とイキイキと答えた。

 古田新太は「たいへんです。やらなければよかった」と後悔し、「やっぱり、井上先生の文体がたのしい。いつもいいかげんに芝居をやっているんですけど、なるべく台本どおりにやりたいな」と語り、中村とコンビについて「ものすごくやりやすいです」と太鼓判。舞台上でほとんど相談することがなかったと明かし、「非常にたのしかった」とコメント。
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▲蜷川演出と新しい"才能"の出会いではたしてどのような化学反応がおきるのか!?

 また中村橋之助は最初に蜷川から「本は一切きりません。井上さんがお書きになったことばをそのまんましゃべるように、ト書きはそのまんまいたします」とアナウンスがあったことを明かし、これにたいして蜷川は「全部井上さんのせいです(笑)」と答え、古田は「地獄の苦しみです」とたいへんな様子。

 さらにもし井上がいたらなんて言っていたか聞かれると古田は「生前に公演でお会いしたとき井上先生に「これは俳優に対するイジメですね」とおうかがいしたら、先生が「見せ場だらけだね、古田君(笑)」って言ったんですよ。だからそういうことばが返ってくると思います」と井上とのエピソードを語った。

 最後に古田は「若旦那についていきたいです」、 中村は「今回の出演者、スタッフはホントにステキなカンパニーなので1ヶ月間、お客さまはもちろんなんですけど自分がまず楽しむことが先決だなぁとおもっております」 と意気込みを語った。
井上ひさし追悼ファイナルBunkamuraシリーズ『たいこどんどん』は5月2日(月)〜26日(木)までBunkamuraシアターコクーンで上演される。「たいこどんどん」の感想・チケット・詳細情報なら演劇ライフ

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