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2011/5/2()

映画やドラマで話題の感動作が朗読劇になって3度目の上演

どこにでもいる平凡な男女が出会い、恋に落ち、結ばれる。だが幸せな生活を送るふたりに思いもよらない悲劇が訪れて……。妻を襲った病名は「若年性アルツハイマー病」。その時、夫がとった行動とは、そしてその結末は!? ドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても』(2001年)、韓国映画『私の頭の中の消しゴム』(2005年)とヒットを記録、昨年は朗読劇として2度の上演が好評を博した本作。様々なキャストの日替わり出演も話題の初日が5月1日、東京・天王洲銀河劇場で幕を開けた。

『私の頭の中の消しゴム』の公演情報

建築会社の社長令嬢・薫は、ひょんなことから父親の部下である大工の浩介と出会う。初めは価値観の違いもあり反発するふたりだったが、次第にお互いのピュアな部分に気づくことで惹かれ合ってゆく。家族の反対も、浩介が猛勉強の末に一級建築士に合格することで解消し、ついに結婚。浩介の複雑な家庭事情も夫婦で乗り越え、今は平凡だがささやかな幸せを噛み締めていた。ところがある日、アパレル会社に勤める薫の身に変化が訪れる。簡単な事務処理も出来なくなり、病院に向かった薫に下された診断は「若年性アルツハイマー病」。悩み苦しんだ薫は浩介に離婚を告げるが、浩介は頑なに「別れない」と言うのだった。薫と浩介の、終わりのない戦いの行方は……。

初日は浩介が桐山漣、薫が黒川智花という配役。朗読劇とはいえ、舞台には温かみのあるグレーの壁や窓が設置され、登場した桐山が机に置かれていたノートを歩き回りながら読んで始まる。次いで現れた黒川もノートを読み上げ、それが互いの日記だと分かると笑顔で交換、椅子に座ってからが本来の朗読劇のスタイルとなる。だが朗読の合間も演者は大いに動き、笑い、泣くのが印象的。時折挿入される、小道具やセットを使った場面の表現も効果的で、ノンストップの2時間があっという間だ。

物語は前半、ふたりの出会いから結婚生活を丁寧に描き、後半では壮絶な闘病生活の中に夫婦の絆を織り交ぜてゆく。浩介も薫も、今の若者の最大公約数とでもいうような取り立てて特徴のないキャラクター。それだけに、役者の持つ味が大きく役に反映してくるのが見どころだろう。桐山は不器用な分、純粋さを捨てきれずにいる浩介を力一杯に演じて好演。今時の女性かと思いきや、意外な強さと優しさをのぞかせる薫を演じた黒川がいい。後半、病に侵されてガラリと表情を変化させる姿は、実力を存分に示す圧巻の演技だった。

他のキャストは福山潤と佐津川愛美、別所哲也と坂本真綾、新納慎也と白羽ゆり、佐々木喜英と菊地美香、吉野圭吾と紫吹淳、中川晃教と村川絵梨という、こちらも魅力的な組み合わせ。それぞれの浩介と薫が楽しめそうだ。

公演は5月8日(日)まで、東京・天王洲 銀河劇場にて上演。

取材・文:佐藤さくら

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