演劇ニュース | 演劇ライフ

2012年2月アーカイブ

演劇ライフ事務局です。こんにちは!!

春はもうすぐそこのはずなのに、また寒さが戻ってきてしまいましたね。
明日は東京でも雪が降るとか。みなさん気を付けておでかけください。

さて本日、ターニングポイントインタビューを更新しました!!
今回は南果歩さんです。

3月5日(月)から新国立劇場小劇場にて上演される『パーマ屋スミレ』。
公演を前に、役者として女性としてご経験されたターニングポイント、また今回の公演への思いを聞かせていただきました。お楽しみください。

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「パーマ屋スミレ」 (新国立劇場) の感想・チケット・詳細情報なら演劇ライフ
『吉本興業創業100周年特別公演 初日』発表会見が2月23日、大阪・なんばグランド花月にて行われ、笑福亭仁鶴、西川きよし、桂三枝、中田カウス・ボタン、桂文珍、今いくよ・くるよが登場した。発表会見は、大阪・東京を衛星中継で結び同時開催され、東京会場には同公演に出演する若手から中堅までの芸人が集結した。

吉本興業創業100周年特別公演

2012年4月に創業100周年を迎える吉本興業。多数の芸人を代表して仁鶴は「ファンの皆様、関係者、吉本の諸先輩方の懸命な努力によりまして、無事100周年を迎えます。この道中、いろいろと大変な時期がありました。それを会社一堂、力を合わせて乗り切ったおかげで、めでたく迎えることができたわけです。ファンの皆様、先輩方には感謝してもし尽くせません。100年という記念でありますが、再スタートという意味でもありますので、今までの吉本イズムを忘れずに再出発していきたいと思います」と不退転の決意を語った。

『吉本興業創業100周年特別公演 初日』は3ステージで展開。各回とも、ベテラン勢による口上から始まり、いまやテレビでその顔を見ない日はない人気芸人たちによるオープニング、そして東西の若手からベテランまで16組がネタを披露し、幕間にはスペシャルな舞台も準備されているという。最後は内場勝則、辻本茂雄、小籔千豊、川畑泰史の4座長が全員集合、加えて石田靖、大山英雄、山田花子らオールスターによる『吉本新喜劇』で大いに盛り上げようと、総勢115組の芸人が出演し、なんばグランド花月リニューアルグランドオープンの初日にふさわしい賑やかな舞台でその幕開けを祝う。

公演は4月8日(日)なんばグランド花月にて。チケットは2月25日(土)より一般発売開始。


【出演予定者】
■初日1回目:林家染丸、桂文珍、オール阪神・巨人、宮川大助・花子、雨上がり決死隊、ナインティナイン、バッファロー吾郎、パンクブーブー、トータルテンボス、チュートリアル、あべこうじ、佐久間一行、楽しんご他
■初日2回目:西川きよし、桂三枝、今いくよ・くるよ、西川のりお・上方よしお、ザ・ぼんち、極楽とんぼ・加藤、ココリコ、ロンドンブーツ1号2号、フットボールアワー、タカアンドトシ、博多華丸・大吉、ジャルジャル、フルーツポンチ、しずる他
■初日3回目:笑福亭仁鶴、中田カウス・ボタン、千原兄弟、桂三度、ケンドーコバヤシ、陣内智則、NON STYLE、ブラックマヨネーズ、中川家、COWCOW、ピース、2700他
テヅカ TeZukA』が2月23日(木)、Bunkamuraオーチャードホールにて開幕した。
テヅカ7

▲手塚治虫×シェルカウイ×森山未來

本作は手塚治虫のマンガ、アニメ作品ほか、「創造主としての手」「マンガを描く動き=ダンスという認識」「文字と絵/書とマンガ」など、いくつかのキーワードをもとに映像を展開するライブのダンスと音楽とのコラボレーションだ。

手塚作品をそのままダンス化するのではなく、振付家シディ・ラルビ・シェルカウイが作品からわき起こる様々なイメージをコラージュのようにつなぎあわせ、手塚の表現を総体として把握する!

世界各地から選び抜かれた10人のダンサー、3人のミュージシャン、そして日本人俳優・森山未來と書道家の身体によって三次元に記述されるこの世界の過去と今。 ほかにも各国で活躍する気鋭のデザイナー、クリエイターが集結し、彼らの綿密なワークショップにより創造される、演劇とダンスの境目を超越したパフォーマンスがここに誕生!
THE BEE』English Version & Japanese Version合同記者発表会が2月22日(水)、都内にて行なわれた。
THE BEE1

▲ニューヨーク、ロンドン、香港公演を経ていよいよ東京に凱旋!

本作は野田秀樹が、9.11アメリカ同時多発テロ事件からイラク戦争へといたる報復の連鎖に着想を得て筒井康隆の短編小説『毟りあい』をもとに、アイルランド人の劇作家コリン・ティーバンとともに英語で戯曲化した作品。
06年ロンドンで初演、続く07年東京で上演するやいなや、演劇賞を総なめにするセンセーションを巻き起こした。

そして、9.11事件から10年後のニューヨークで上演したいという強い思いから2012年1月〜2月にかけワールドツアーに出ていた本作が東京にて堂々の凱旋公演を行なう!

さらに、4月〜6月にかけて『THE BEE』Japanese Version ジャパンツアー敢行決定!
今回ジャパニーズバージョンのために力強い新キャストが揃った!!

10年、野田作品『ザ・キャラクター』に出演した宮沢りえが、「初めての小空間」に挑む!
客席と近い空間で、濃密に演じる作品への出演機会を探っていた彼女が、満を持して小空間に登場。高い集中力が生み出す、繊細な演技に注目だ。
また、野田作品への出演は20年ぶりとなる池田成志が新たにカンパニーに加わる。その独特の存在感は、息詰まる室内劇にからむ「外部の圧力」として、作品に変調と奇妙なユーモアをもたらすことまちがいない。
そして、初演に続いての登場となる、コンドルズの近藤良平。彼の「役者」としての才能に注目した野田の起用が的中し、言わずとしれた身体性だけでなく、その声の魅力と多彩な表情で、複数の役を堂々と演じきる。
もちろん野田秀樹も、初演に続いて出演。平凡なサラリーマンが狂気を帯びていく様を、尋常ならざる独特の身体性を駆使して余すところなく表現する。
2008年、日韓合同公演『焼肉ドラゴン』の作・演出を手がけ、その年の名だたる演劇賞を総なめにした鄭義信。新国立劇場の財産演目として昨年も再演された『焼肉ドラゴン』に続き、鄭義信が再び演出も兼ね、同劇場に新作を書き下ろす。新作のタイトルは『パーマ屋スミレ』。3月5日(月)の初日に向けて奮闘する稽古場を、2月某日、訪ねた。

作品は1965年、九州の炭鉱町で暮らす在日コリアンの炭鉱労働者とその家族の物語。ある日、炭鉱事故に巻き込まれ、訴訟を抱え必死に戦いながらも、石油へのエネルギー転換でやがて彼らが置き去りにされる日本の陰の歴史を描く。有明海を望む“アリラン峠”の集落のはずれにある「高山厚生理容所」には、元美容師の高山須美(南果歩)と再婚した張本成勲(松重豊)とその家族が住んでいる。貧しいながらも、須美は明るく騒がしく姉・初美(根岸季衣)や妹・春美(星野園美)らと力を合わせて暮らしていたが、炭鉱の爆発事故で成勲や春美の夫・大杉昌平(森下能幸)が一酸化炭素中毒患者になってしまう。彼女たちは生活を守るため、そして生き抜くために壮絶な戦いを始めて……。

この日の稽古は第6場、物語がシリアスな方向に大きく展開する場面だ。餅をつき、須美と初美がリズミカルに丸めて振る舞うというシーンから始まり、本物のつきたての餅もスタッフから用意された。南と根岸が丁々発止のセリフのやりとりをしながらも、口の中にちぎった餅をポンポンと入れていく胸がすくような食べっぷりにそこかしこで笑いが起きる。台本自体が面白いため、演出をつけずに通しただけでも楽しく観られるのだが、ここからが“世界では2番目、アジアでは1番しつこい演出家”を自称する鄭義信の本領発揮。前述のシーンだけでも、餅をつく速度、炭鉱労働者・木下役の朴勝哲が餅をつく長さ、南が話す説明ゼリフの視線の置きどころや、根岸らしいアドリブのセリフの効果的な入れどころ、人の突き飛ばし方や突き飛ばす長さ、足の悪い成勲役の松重への歩き方指導と、細かい指摘は枚挙にいとまがない。自然な芝居の流れと間、そしてリアルな描写に徹底的にこだわり、俳優の無意識の動作をすべて生活に結びついた動作に変え、セリフと動作をしっかりと意味づける。そうした小さな指摘をひとつひとつ直すごとに、“アリラン峠”に暮らす人々の生活がビックリするほどの鮮やかさでより具体的に立ち上ってくるから不思議だ。

大変なのはキャスト陣。つきたての餅という消えモノや多くの小道具を操るだけでもてんてこまいなのに、そこに鄭義信の微に入り細を穿つ演出が加わり、さらに芝居が変わる。第6場ほぼ出ずっぱりの南と根岸は、多くなるきっかけに少々頭を混乱させながらも必死に演出に食らいつく。そんな南にスタッフが、もう一度本物の餅を用意したほうがいいかと尋ねると「食べられるものは全部食べます!」とニッコリ。キャストのガッツと、スタッフ、鄭義信への全幅の信頼感がうかがえる瞬間だった。同作品は新国立劇場 小劇場にて、3月5日(月)から25日(日)まで上演。チケットは発売中。
『オペラ座の怪人』や『キャッツ』で知られる作曲家・アンドリュー・ロイド=ウェバーの代表作のひとつで、1995年のトニー賞で作品賞、作詞・作曲賞、主演女優賞など7部門を受賞した『サンセット大通り』が、ついに日本でも上演される。原作は1950年の同名の映画。今は忘れられたかつての大女優が、若い脚本家・ジョーと出会い妄執を募らせていく物語だ。ブロードウェイではグレン・クローズが演じたヒロイン・ノーマ役に安蘭けい、ジョーと恋仲になる映画会社の若手脚本部員ベティ役に彩吹真央。共に宝塚歌劇団出身で、歌唱力にも定評があるふたりに、日本初演で臨む同作への意欲を訊いた。

『サンセット大通り』チケット情報

ロイド=ウェバーが大好きだという安蘭は「いろんな女優さんがやりたいとおっしゃる大役を演じるのはとても光栄で、神様が巡り合わせてくれたのだと思います。仕事仲間からは『落ちぶれた女優役は、まだ早いんじゃないの』とも言われましたが、去年は『ピアフ』や『MITSUKO』で女性の晩年も演じさせていただいたので、その経験がうまく役に反映できればいいですね。全力を尽くし、足りない部分は勉強します」と語る。

彩吹は「日本での上演が待たれていた作品の初演に参加させていただくので、心して頑張りたいです。若いけれど自分なりの生き方を持ったまっすぐなベティという役を、お芝居でしっかり演じれば、歌でもキャラクターを表現できるかなと思います」と控えめに話す。そんな彩吹を見て安蘭は「結構、そのまんまじゃない? ゆみこ(彩吹の愛称)は、まっすぐないい子だよ。一緒に作品を作ってきた信頼関係があるから、ゆみこには何でも言えるし、ここまでやっても大丈夫という安心感がありますね」。「下級生の時から、とうこさん(安蘭の愛称)の背中を見て、いろいろ教えていただきました。昔は男役同士だったのに、今はスカートをはいて女優としてご一緒させていただくのが不思議です」と彩吹。

男性のメインキャストは、ジョー役の田代万里生と、ノーマの元夫で執事のマックス役の鈴木綜馬。田代と同じ事務所の安蘭は「よく知っているから、ノーマとジョーみたいに私がリードする立場になるのかな」と楽しげに話す。シャネルの生涯を描いたミュージカル『COCO』で鈴木と共演した彩吹は「綜馬さんやとうこさんとは一緒に作品を作り上げた絆がありますが、田代さんも初めてお会いしたとは思えない雰囲気があるんですよね。のんびりしていて、面白い方です(笑)」。
シリアスでゴージャスな本作の日本版ならではの舞台に期待したい。

公演は6月16日(土)から7月1日(日)まで東京・赤坂ACTシアター、7月6日(金)から7月8日(日)まで大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて上演。チケットは東京公演が2月25日(土)、大阪公演は3月31日(土)に一般発売する。

取材・文:笠松綾
1969年の日本初演から43年。松本幸四郎が人生の半分以上演じ続けている『ラ・、マンチャの男』。その制作発表が2月20日にホテルオークラ福岡で開催され、主演のドン・キホーテを演じる松本幸四郎と、彼が想い姫と慕うアルドンサ役の松たか子が登壇した。今年は5月の福岡・博多座、8月の東京・帝国劇場の上演が予定されているが、幸四郎が古希を迎える8月19日(日)の東京公演で、上演回数1200回という偉業を達成する。

ミュージカル「ラ・マンチャの男」 チケット情報

10年前の博多座公演からは、幸四郎が本作の演出も担当。「外国の作品を、日本の役者が日本語で演じるわけだから、日本の現代劇としてお見せすることが基本姿勢。プラス、オリジナルの良さを保つように。2009年の公演を、本作の脚本家デール・ワッサーマンさんの未亡人がご覧になられて『オリジナルの魅力を保ち続けているのは、このカンパニーだけ』というお言葉を頂いたのですが、それは本当に嬉しかった。皆様も、その言葉を信じて観にきて頂きたいですね」と、演出家としての自信ものぞかせる。

子供の頃からこの作品を観ていたという松も「最初は『暗い、怖い、汚い』というイメージ(笑)。でも、やっぱり何かいいなって思う気持ちがあって。自分が出演し始めてからは、演じるごとに感じることが違う作品で、再演を重ねられる作品というのはこういうものなのだな、と日々実感しています」と魅力を語りつつ、「同じ舞台に立つ以上は『父のために頑張る』という気持ちは全くなく、とにかく作品を良くしたい。そのためにもアルドンサを死にもの狂いで演じます」と俳優としての決意を語った。

互いに「たか子は、人間をつかむ能力が凄い」「父の好奇心の強さは尊敬する」と俳優しての魅力を語り合いつつも、作品の中ではライバルとして演じ合うふたり。1200回公演を迎える今年は、さらに気持ちも熱いようで、声を合わせて「記念の公演に向けて、1公演1公演しっかり演じていきたい」と語る。福岡公演は5月5日(土)から28日(月)まで、東京公演は8月3日(金)から25日(土)まで開催。チケットはそれぞれ福岡公演が3月10日(土)、東京公演は5月26日(土)より一般発売する。
1983年にブロードウェイで初演され、大ヒットを飛ばしたミュージカル『MY ONE AND ONLY』。その日本版がこの3月、坂本昌行の主演で青山劇場に登場する。作曲家ジョージ・ガーシュインと実兄アイラ・ガーシュインの兄弟が手がけた最後の作品である本作は、音楽の魅力もさることながら軽妙な会話の応酬、水を蹴ってステップを踏むタップダンスなど見どころが満載。飛行機乗りの主人公ビリー(坂本)と水中レビュー団のスター、イーディス(大和田美帆)の恋模様を綴った王道のラブコメディだ。2月某日、本作の稽古場を見学した。

ブロードウェイミュージカル「MY ONE AND ONLY」 チケット情報

稽古場では、坂本をはじめとして大和田、大和悠河、鈴木綜馬、川平慈英、そしてアンサンブルのキャスト陣が、集中して個々の課題の自主稽古に取り組んでいた。過去に日本で『プロデューサーズ』や『カーテンズ』を手がけた経験を持つ演出・振付のビル・バーンズが、俳優たちの間を精力的に動き回り、ほがらかに指示を与えていく。ビルの演出・振付は次から次へとアップテンポで行われ、彼の高い要求を素早く吸収して体現しようとする、キャスト陣の前傾の勢いがひしひしと感じられた。全体でのシーン稽古が始まると、動きや歌、タップダンスまで全員が早くも息の合った演技を見せて、止まることのないスムーズな進行に驚かされた。このままシーンの最後までいってしまうのか……と思ったところで坂本がお茶目なNGを出し、「あっ、ごめんなさい」と照れ笑い。全員の緊張がドッとほぐれて笑い声があがる。

続く坂本と川平のふたりのシーンは、稽古場全員の期待の視線が集中した。とくに大和田は嬉しそうにみつめている。坂本ビリーに恋の駆け引きをアドバイスするミステリアスな男マジックスとして登場する川平は、リアクションのひとつひとつに絶妙な可笑しさを差し込んでくる。そしてふたりによるタップダンスのデュエットは圧巻の一言。坂本と川平が作り出す粋でコミカルな空気が、軽やかなタップ音に乗ってどんどん増幅。ビルも納得の様子で頷きながらふたりを見ている。稽古場中に笑顔が充満し、最後には大きな拍手が沸き起こっていた。

ボーイッシュな魅力を放つ大和とギャグセンスが光るムードメーカー鈴木によるキュートな大人のやりとり、坂本と大和田のロマンチックなラブシーンなど、思わず見入って微笑んでしまう。滑らかに進んだ立ち稽古はフィナーレのシーンへ突入。総勢での迫力十分のタップダンス、ガーシュインの美しいメロディに包まれてのハッピーエンドは、稽古場にしてすでに大満足の完成された華やかさ。演出のビルを筆頭に、その場にいた誰もが幸せそうな笑顔を浮かべ、このシーンに拍手を送っていた。今後、気になる“水の上でのタップダンス”シーンも加わり、本番ではさらに磨きのかかった豪華なステージで魅了してくれるに違いない。ブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』は3月10日(土)から24日(土)まで東京・青山劇場にて、3月29日(木)から4月1日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。

取材・文 上野紀子
ロミオ&ジュリエット』の製作発表が2月21日(火)、都内にて行なわれた。
ロミオ&ジュリエット1

▲(写真上段左から)尾上寛之、賀来賢人、菅田将暉、姜暢雄
(写真下段左から)ジョナサン・マンビィ、石野真子、佐藤健、石原さとみ、橋本さとし、長谷川初範

世界中の誰もが知る、ウィリアム・シェイクスピアの傑作戯曲『ロミオ&ジュリエット』。愛にすべてを捧げた若い2人の恋物語は、時代と国境を越え、これまでに数えきれないほど上演されてきた。
そんな恋愛悲劇の最高傑作"真実の愛の物語"が、2012年春、日本で幕を開ける!

主演のロミオ役をつとめるのは、本作で初舞台・初主演を飾る佐藤健。なんと本作のために本場イギリスで演劇修業をしたという。ヒロインのジュリエット役には昨年、シェイクスピア『オセロー』を原作にした劇団☆新感線港町純情オセロ』でも記憶に新しい石原さとみ。共演は、舞台を中心に活躍し、際立つ演技で異才を放つ橋本さとしキムラ緑子、ドラマ・映画界に欠かせないベテラン長谷川初範石野真子、さらには、若手ながらも高い演技力をそなえた賀来賢人菅田将暉尾上寛之姜暢雄ら、豪華な顔合わせが実現した。

そして、演出は本作が日本デビューとなるイギリス演劇界注目の若手演出家、ジョナサン・マンビィがつとめる。
久本雅美や柴田理恵などが所属するWAHAHA本舗。2012年の全体公演となる『ミラクル』が4月14日(土)の東京・日本青年館を皮切りに、全国19か所で上演される。2月20日には代々木公園陸上競技場にて『ミラクル』の成功と、WAHAHA本舗所属である猫ひろしのオリンピック出場を祈願して「ワハハ本舗の第1回大マラソン大会」が開催、あわせて『ミラクル』の製作発表記者会見が行われた。

WAHAHA本舗全体公演「ミラクル」チケット情報

パワフルかつエネルギッシュ、そして「観る側も魅せる側も全員が楽しむ」をモットーに、ステージと客席が一体となれるのがWAHAHA本舗の舞台。ダンスあり、芝居あり、お祭り騒ぎあり、シュールなパフォーマンスありと、ありとあらゆるジャンルを「笑い」と「過剰なサービス精神」で展開するのが特徴だ。2012年のテーマは「ミラクル」。本公演では、以前、デニス・ホッパーが来日した際に絶賛していた「裸影絵」や、15年前に全国で大好評を呼んだ梅垣義明による「パンパース芸」などWAHAHA本舗に残る伝説のお家芸が復活。仮面ライダー1号・2号を演じたアクション俳優の岡田勝との競演や、インド映画を意識したワハハ版ボリウッドなど、盛りだくさんの内容だ。

作品について柴田は「タイトル通り、まさにミラクルな舞台になると思います。WAHAHA本舗の舞台はただ見るだけでなく、お客さんも一緒に参加する舞台。一緒に楽しんで欲しい」と語り、構成・演出を手がける喰始も「前回は座布団投げをお客さん全員にやってもらいました。今回もお客さんが参加しないと成り立たないものが山ほどあります。観るよりも参加しに来るという感じできていただければ」と観客へ参加を呼びかけた。

自身に起こったこれまでのミラクルな出来事をたずねられた久本は「むしろこれからのミラクルに期待したいですね。白馬の王子様に遅くなって悪かったと迎えにきてもらいたいです。落馬してるって噂ですけど」と冗談まじりに答えた。猫は「カンボジア代表になってロンドンオリンピックに出て、金メダルを獲ったらまさにミラクル」とコメント。出場することになったら応援に行きますか?という質問に久本は「行くわけないじゃないですか」とばっさり。その後「いつも心の中で応援してる」とフォローした。

ちなみに『ミラクル』のポスターでは、和田アキ子が中央に大きく顔を見せているが、公演には出演はしないという。ポスターからしてWAHAHA本舗らしさが感じられるバカバカしく遊び心あふれる舞台になりそうだ。

(文:大林計隆)
"日本の演劇がどのように西洋の演劇と出会い進化してきたか"を探るため、新国立劇場が昨シーズンより上演してきたシリーズ、[JAPAN MEETS...‐現代劇の系譜をひもとく‐]。その第5弾に、いよいよオスカー・ワイルドの傑作『サロメ』が登場する。
今回の上演に当たっては、作家の平野啓一郎へフランス語からの翻訳を依頼。現代の日本で台詞劇として上演するにふさわしい、これまでの『サロメ』の印象をがらりと変えるほどの魅力的な翻訳が誕生した。
演出は宮本亜門。戯曲に真正面から取り組み、これまでの官能的なサロメ像とは異なる、無邪気ゆえの残酷さをたたえた人物を造形する。その難役に、自身2度目の舞台出演となる多部未華子が挑戦。サロメが対立する義父ヘロデ王に奥田瑛二、母ヘロディアスに麻実れい、預言者ヨカナーンに成河と、最強の俳優陣が顔をそろった。さらにオーディションで選ばれた26人の男優陣。総勢30人、群集劇ならではの多彩な面々による舞台に期待は高まる。

衣裳は、株式会社ヨウジヤマモトから提供。演出意図、登場人物のキャラクター、俳優に合った衣裳を、時間をかけて選び出し、新たな『サロメ』の世界にアプローチする。そして、新進の舞台美術家、伊藤雅子による白を基調としたスタイリッシュな美術で、亜門版『サロメ』を大胆に表現。照明デザインには、カナダ在住でロベール・ルパージュ作品を多く手掛ける照明家、西川園代が新国立劇場に初登場。また、80年代から「維新派」の音楽監督を務める内橋和久が音楽を担当。自身もライブ演奏をして、31人目の出演者となるなど、様々な要素の見どころ・聞きどころ満載の舞台『サロメ』が、この6月、新国立劇場に誕生する。
石丸幹二が主演するブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』。3月の開幕まで1か月を切ったこの公演の稽古場を、2月某日、取材した。

ミュージカル『ジキル&ハイド』チケット情報はこちら

作品はR・L・スティーブンソンによる有名小説『ジキル博士とハイド氏』を原作にしたミュージカル。精神のコントロールを失った父を救うため、“人間の善と悪を分離する薬”の開発をする医師ヘンリー・ジキル。この薬の人体実験をすることを理事会で却下された彼は、自分自身で試すことにする。実験は成功するも、彼は次第に分裂する人格・ハイド氏を制御できなくなり……。スリリングな展開に、原作にはない男女の愛情を深く絡ませる内容だ。これに、フランク・ワイルドホーンによるドラマチックな楽曲が溶け合っていく。日本ではこれまで鹿賀丈史主演で上演されてきたが、今回はジキル&ハイドに石丸幹二、ハイドに惹かれる娼婦ルーシーに濱田めぐみ、ジキルの婚約者エマに笹本玲奈とキャストを一新して贈る。

1幕冒頭からスタートしたこの日の稽古。まずは精神の安定を失った父親を前にしたジキルの、短いながらもインパクトのあるシーンだ。石丸はその父の姿を目前にする悔しさ、そしてどこか切なさをも滲ませる。続けて、早くも日本版初登場のナンバーだ。なぜ人は善悪にゆれ悪に引き寄せられるのかを知りたいと歌うジキル。石丸の圧巻の歌唱は激しく、知りたいという欲望の強さに、すでにジキルの中のハイドが見えるようで面白い。そのシーンまでを通すと一度ストップ。演出家の山田和也をはじめ、振付、歌唱指導、指揮者といったスタッフ陣が代わる代わる細かくチェックを入れていく。中でも指揮、歌唱指導の音楽チームはリズムの確認や、どの音からクレッシェンドしていくのかなど、微に入り細に入りのこだわり。取材陣が思わず聞き惚れるほどのナンバーだったが、カンパニーはさらに高みを目指していくようだ。

その後、アンサンブルたちが歌うビッグナンバー『嘘の仮面』のシーン、理事会のシーンと、物語に沿って稽古は続いていく。これらのシーンでも、ナンバーの強弱やブレスによって激しさから一転して冷めた感情を表現するなど、音楽の上での感情の肉付けを細かく繰り返していくカンパニー。見ごたえ、聴きごたえのある新しい『ジキル&ハイド』が誕生しそうで楽しみだ。

公演は3月6日(火)から28日(水)に東京・日生劇場、4月6日(金)から8日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、4月14日(土)・15日(日)に愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。チケットは発売中。
2月17日、東京・Bunkamuraシアターコクーンで、明石家さんまの主演舞台『PRESS~プレス~』が初日の幕を開けた。本作は俳優でもある生瀬勝久が脚本を手掛け、自らも出演、また映画『舞妓Haaaan!!!』や『なくもんか』で監督としても活躍している水田伸生が演出を担う話題作。

『PRESS~プレス~』チケット情報

物語は、日本が高度経済成長真っ盛りだった1960年代、大阪に本社を置くスポーツ新聞社「堂島スポーツ」の編集部が舞台。文化部部長の才谷にさんまが扮するのをはじめ、中尾明慶、山西惇、温水洋一、八十田勇一、新谷真弓、小松利昌、大河内浩がユニークな新聞社の面々を演じる。ある日、ネタを集めにちょくちょく編集部へやって来る刑事(丸山智己)がいるところへ、清純派で人気の女優木村なでしこ(相武紗季)と恋人の俳優(音尾琢真)が恋愛スクープを揉み消したい一心で駆け込んできた。そこへなでしこのマネージャー(生瀬)もやってきて、すったもんだを繰り広げる……。

さんま、生瀬、水田のタッグによるこのカンパニーは、過去にも『七人ぐらいの兵士』(2000年)、『JOKER』(2004年)、『小鹿物語』(2006年)、『ワルシャワの鼻』(2009年)とヒット作を連発。今作はその第5弾となる。今までは笑いの中にもシリアスさを忍ばせる骨太な作風だったが、今回はガラッと変わり、豪華キャストによる軽快絶妙、丁々発止のチームプレイを堪能できるカラリとした爆笑コメディとなっている。

脚本を担当した生瀬は、本番を前に次のように意気込みを語った。「また、このカンパニーが帰ってきました。初日から千秋楽まで、生き物のように、私たちのライブ感は止まりません。ご来場お待ちしています」。

公演は、同所にて3月4日(日)まで開催。なお、当日券は各公演とも開演の1時間前から劇場受付で販売する。
コクーン歌舞伎 第十三弾「天日坊」の上演が決定した。主演をつとめるのは今月六代目中村勘九郎を襲名したばかりの新・中村勘九郎。そして脚本をもう一人の"カンクロウ"人気脚本家・演出家・俳優の宮藤官九郎。夢のタッグがここに実現!!

コクーン歌舞伎は1994年"シアターコクーンに江戸の歌舞伎小屋の熱を再現しよう!"と、中村勘三郎(当時:勘九郎)と演出家・串田和美(シアターコクーン初代芸術監督)が「東海道四谷怪談」でスタート。747席の濃密な空間、客席を花道に見立てた臨場感のある演出、間近に味わう人気歌舞伎俳優の熱演、本火、本水、泥沼、椎名林檎の音楽、ラップなど枠にとらわれない演劇的興奮を高めるさまざまな要素が観客をひきつけ、次々と話題作を生み出してきた。

そして本年6~7月上演の第十三弾、およそ150年ぶりの上演となる「天日坊」は、嘉永七年(1854年)に河竹黙阿弥によって書かれた「五十三次天日坊」を宮藤官九郎が新たに脚本化、初のコクーン歌舞伎主演となる新・勘九郎をはじめ、獅童、七之助といったこれからの歌舞伎界の核となる俳優たちに、現代劇の個性豊かな俳優たちが加わり、コクーン歌舞伎の新しい時代の幕が開くことになるだろう。

ふとした野心から頼朝の落とし子に成りすまそうとした天日坊。
悪事を重ねながら鎌倉を目指す旅を続けるうちに、思いもよらない自分の運命と出会うことになる。
貧しい時代からの親友との宿命、謀反を企てる盗賊の一団との出会い、そして本当の自分。
思い描いた未来が夢なのか、この現実が夢なのか・・・。

≪公演概要≫
□出演
中村勘九郎 中村七之助 中村獅童 ほか
□公演期間:2012年6月~7月
□会場:Bunkamuraシアターコクーン
□チケット発売:2012年4月予定 「渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾 天日坊」 (松竹) の感想・チケット・詳細情報なら演劇ライフ
2007年の初演時に大好評を博した、演劇集団キャラメルボックスの人気作『トリツカレ男』(原作:いしいしんじ)が、2月16日、東京・赤坂ACTシアターにて再演の幕を開けた。

演劇集団キャラメルボックス『トリツカレ男』チケット情報

イタリアの片田舎で、レストランのウエイターとして働くジュゼッペ。彼は何かひとつのものにハマると、その何かにとことん“トリツカレ”てしまうことから、周囲からは「トリツカレ男」と呼ばれていた。これまでに彼を魅了してきたのは、オペラに探偵、昆虫採集に外国語と、ジャンルはさまざま。三段跳びに至っては、なんと世界記録をも打ち出してしまったほどだ。そんな彼の前に、ひとりの少女・ペチカが現れる。母親の病気療養のためロシアからやって来たペチカに、一瞬にして心奪われてしまったジュゼッペ。“恋”にトリツカレたジュゼッペは、相棒であるネズミのトトと共に、ペチカを幸せにすべく奔走するのだが……。

楽しくて、切なくて、そして心あたたまる、これぞ演劇集団キャラメルボックスといった作品。劇中、キャラメルボックスが得意とするダンスシーンに、陽気なイタリアを象徴するようなパフォーマンスなどが織り込まれ、観ているだけでワクワクするような、エンタテインメント性が高い作品に仕上がっている。

主人公のジュゼッペを演じたのは、初演に引き続き劇団員の畑中智行。真っすぐに突き進む愛すべき青年役を、高い身体能力と豊かな感情表現により好演した。ヒロインのペチカ役には、キャラメル初参加となる星野真里。見た目のかわいらしさはもちろん、ペチカの複雑な心情を要所、要所ににじませ、観客の心をグッとつかむ愛らしいヒロイン像を作り上げた。ネズミのトト役には、こちらもキャラメル初参加となる金子貴俊。元々金子が備えているキュートなキャラクター性が、トトという役柄と見事にマッチ、その存在をしっかりとアピールして見せた。

また観客の大きな笑いを誘っていたのは、インコのニーナ役の渡邊安理とギャングのボス・ロミオ役の阿部丈二。セリフの間やトーン、予測不可能な動きに加え、衣裳の派手さも目を引く。そんなふたりの演技は時に過剰とも思えるのだが、本作には不思議とピタリとハマり、逆に大きな魅力へと繋がっていた。

脚本・演出の成井豊が、本作のテーマとして掲げるのは「人を好きになるということ」。その願いは、観客の心に確実に届いているはずだ。公演は同所にて2月29日(水)まで開催。その後、名古屋、大阪を回る。チケットは発売中。

文:野上瑠美子
昨年9月に行われた8年ぶりのOSK日本歌劇団東京公演は、長い時間を埋めるように華やかな大成功を収め、東京在住のファンを喜ばせた。今年は劇団創立90周年を迎え、12世紀のイタリアを舞台にした、ヴェルディのオペラ『レニャーノの戦い』を原作にしたOSKオリジナル版の『ADDIO』と、レビュー『Dance of JOY』を東京・三越劇場にて上演する。公演に先立ち、東京でお披露目公演となるトップスター桜花昇ぼると、娘役スター牧名ことりに、劇団や作品の魅力について話を訊いた。

OSK日本歌劇団チケット情報

桜花はOSKの魅力を「劇団員ひとりひとりの個性が光っていること」と話す。「お稽古がない時には、ジャズダンス、バレエ、日舞など個人レッスンにいそしんでいます。あとはお芝居ゆかりの地を巡ったり。舞台人としての自分を磨いています。演出家や振付けの先生たちからいただいた課題には、メンバー全員で意見を出し合って、ひとつの舞台を創っていきます」。

牧名はOSKの娘役について「可憐なだけではなく大人びて自立心の旺盛な女性が多いですね、男性ファンの方も比較的多いです。みなさん、『守りたい』というより『応援したい』という気持ちで観ていただいているようです。娘役としては、より“女性らしさ”を意識しています」と話していた。

OSKは、宝塚歌劇団、松竹歌劇団(SKD)と並ぶ、日本の三大歌劇のひとつとして、大阪で愛されてきた。「歌の宝塚、ダンスのOSK」と称されるほど、OSKのダンス力には定評があり、きっちり揃ったキレのある動きに、本格的なレビューの魅力を堪能できる。群舞の団結力が見どころという『Dance of JOY』には、男役、娘役、それぞれ独立した場面も用意されている。特に、東京公演のみ特別バージョンとしてラインダンスが用意され、迫力あるダンスレビューが楽しめる。「複雑な人間模様が見せ場」と桜花がいうグランドファンタジー『ADDIO』は、東京公演に向けて未だ内容を全員で練り直しているそうだ。桜花、牧名のふたりは「騙されたと思って(劇場に)足を運んでほしい。必ず元気な気持ちを贈ります」と自信を漲らせていた。

舞踊ジャーナリスト:高橋恭子

公演は2月22日(水)から26日(日)まで東京・三越劇場にて開催。チケットはぴあにて2月23日(木)まで発売中。
2月16日、東京・渋谷の劇場「CBGKシブゲキ!!」にて、ナイロン100℃ side SESSION#11『持ち主、登場』の初日の幕が開いた。

『持ち主、登場』チケット情報

この公演は、大倉孝二が「ただ、ふざけた芝居をしたい」との思いから一念発起し、その声に応える形でキャストが集合。大倉が所属している、ナイロン100℃の劇団員が挑戦の場としている“ナイロン100℃ side SESSION”として実現した。大倉と劇作家のブルースカイが構想を練り、共演の峯村リエ、村岡希美や、振り付けも担当するKENTARO!!、そして音楽のThe Dublessが、稽古場で日々アイデアを出し合い、セッションを重ねながらひとつの作品に作り上げ、出演者全員が脚本・演出・出演を共同で担う形となった。

舞台はガレージを彷彿とさせるセット。何か予測しないものが生まれてくるようなワクワク感がある。ストーリーは、ロードムービーのような様相を呈しながらも、破天荒で奇抜。KENTARO!!の振り付けによる出演者全員によるダンスや演奏シーンなども随所に盛り込まれ、ブルースカイが得意とする、ナンセンスコメディ炸裂の内容となっている。大倉を中心に、実力派パフォーマー達が本気で挑んだ、粋で壊れた“ふざけた芝居”を出演者、観客ともに楽しんでいる様子だった。

公演は同所にて2月26日(日)まで上演。チケットは発売中。当日券は開演の1時間前より劇場受付にて販売する。
2003年より連続テレビドラマとして3度シリーズ化された、ビートたけし原作の『菊次郎とさき』。この作品の舞台化が決定し、2月15日、制作発表が行われた。会見は、物語の舞台となった東京・足立区にあるシアター1010で行われ、出演の陣内孝則、室井滋と演出の石橋冠が登壇した。

『菊次郎とさき』チケット情報

ビートたけしが自身の幼少期を描いた『菊次郎とさき』は、足立区・梅島の長屋に夜逃げ同然で引っ越してきた北野一家が、貧乏ながら愛とユーモアで激動の昭和をたくましく生き抜く物語。破天荒な父、菊次郎と子どもの教育にひたすら熱中する母さき、その母のいいつけを素直に守る兄姉、そして反抗ばかりの武。そんな北野家が過ごす懐かしい時代の暮らしには、今では忘れ去られた家族や兄弟、隣人との深い絆がつなぐ「笑いあり涙あり」の人情喜劇が綴られている。さらに今作では、菊次郎とさきの出会いなど、テレビドラマにはなかったストーリーが描かれているのも見どころのひとつ。

菊次郎役の陣内孝則とさき役の室井滋は、テレビドラマより引き続き同役を演じる。久しぶりの菊次郎役に陣内は「テレビシリーズが終わって何年も経つが、菊次郎役は関係者から『もうやらないの?』と、言われ続けてきた愛着のある役」とコメント。俳優仲間の竹野内豊からも「またやって欲しい」と言われ、「二枚目俳優に言われたらやらない訳にはいけない」と陣内らしいリップサービスも。室井は「私もまたさき役をやれることになって嬉しいです。今回は10代のさきも演じるので、街中で(少女のように)走れるかダッシュしていたら、周りに奇行が目立つと言われました(笑)」と愉快なエピソードを披露した。

また、テレビドラマと同じく舞台の演出も務める石橋は「この作品の初舞台化に、再度演出として携われて嬉しい。舞台化にあたって菊次郎さんとさきさんへのオマージュになるならなんでもやるつもり。基本テレビドラマでやった事はやらない。もっとパワーアップした作品に仕上げていく」と意気込みを語った。

公演は、3月24日(土)・25日(日)に北千住シアター1010にて開催。その後、大阪、福岡、富山、愛知と各地を回り、5月19日(土)から27日(日)まで東京・ル テアトル銀座にて上演する。チケットは一部の除き発売中。なお、銀座公演のチケットは3月24日(土)より一般発売。

取材・文:藤田正恵
存命ならば昨年末に喜寿を迎えるはずだった劇作家・井上ひさしの8作品を、今年1年に渡り連続上演する『井上ひさし生誕77フェスティバル2012』。その第2弾となるのが、こまつ座公演『雪やこんこん』だ。開幕直前となり仕上げ段階に入った、本作の都内稽古場を見学した。

『雪やこんこん』公演情報

時代は昭和20年代の終わり、女座長(高畑淳子)率いる〈中村梅子一座〉がたどり着く、北関東の温泉旅館に併設された芝居小屋の楽屋が舞台。あらかたの小道具も備わった状態の稽古場は、その時代の空気で充満している。役者たちは着物、浴衣、袢纏(はんてん)、羽織などを身につけ、“中村梅子”の名が一面に染め抜きされた目立つ袢纏を羽織った高畑も、女座長役らしいキリリとした表情でスタンバイ。

まず特徴的だったのは、セリフへのこだわりだ。井上ひさしの戯曲は、“一字一句変えない”が原則。ゆえに、他の現場よりも圧倒的にセリフに対する指示が多い。プロンプターはついているが、演出の鵜山仁自ら「細かいんだけど、ここ『だ』がないんです」など、台本と照らし合わせて細かいチェックをする。役者たちはやや苦戦しているが、“てにをは”すらおろそかにしないことによって、だんだんと作品の持つ心地よいリズムに導かれていくのがわかる。また、気になる箇所があるとすぐにその役者のところまで近づいていき具体的に動いてみせる鵜山は、運動量の多い演出家という印象。その動きに至る理由を筋道立てて言葉によってもわかりやすく伝えながら、「律儀に全部やってくれというんじゃないが、意味合いとしてはこんな感じ。それを踏まえて"いい加減"に」など、役者に対して適度な余白を残す。

続いて、中村梅子と、芝居小屋がある旅館の女将で梅子の生き別れの娘であるらしい和子(キムラ緑子)とのシーン。高畑、キムラという演劇界を代表する女優同士の顔合わせは、期待どおりに見応え十分。本作には井上ひさしが集めた古今東西の大衆演劇の名ゼリフが散りばめられているが、そのセリフまわしが舞台人ならではの粋なリズムで語られるのが心地よく、何よりふたりのチャーミングで情に厚いキャラクターが人情芝居にぴったりだ。

井上が旅芝居の狂言の筋書きを分析して書き上げた本作には、自己犠牲、報恩、助け合い、正義は勝つ……といった要素が詰まっている。現代ではあたかもほこりをかぶったかに見える“庶民の夢と理想”が、名優たちの演技で色鮮やかによみがえる。

2月19日(日)から3月11日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター、3月16日(金)・17日(土)には大阪・森ノ宮ピロティホール、3月19日(月)・20日(火)には山形・川西町フレンドリープラザにて公演を行う。

取材・文:武田吏都
東京・六本木 ブルーマンシアターにて、ロングラン上演中の『BLUE MAN GROUP IN TOKYO』。3月31日の千秋楽が近づき、さらなる盛り上がりを見せている中、2月14日のバレンタインデーに特別ゲストの国生さゆりが来場した。

『BLUE MAN GROUP IN TOKYO』チケット情報

小雨のぱらつく寒いバレンタインデーとなった、この日の東京。だが観客の中にはカップルの姿も多く見られ、会場は開演前から熱気を帯び始める。そしてブルーマンの3人が登場、ペンキをかけたドラムを打ち鳴らすおなじみの「ペインド・ドラミング」が始まると、観客は一気にブルーマンワールドへ。幻想的でダイナミック、さらには笑いをも加味した独特の空間が広がっていく。

続いて披露されたのは、人気パフォーマンスの一つである「マシュマロキャッチ」。投げたマシュマロを次々と口でキャッチするというもので、数が増えるごとに観客からは大きな拍手が巻き起こる。またショーの中盤には、ブルーマンの3人が客席へ。観客に興味津々のブルーマンだが、中でも彼らの目に留まったのは、特別ゲストである国生。彼女とマシュマロキャッチを始めるのかと思いきや、用意していたのはなんとチョコレート。バレンタイン限定の「チョコレートキャッチ」が成功し、国生からは満面の笑みがこぼれていた。

また『BLUE MAN~』の大きな楽しみのひとつが、観客参加型であるということ。「フィースト:食事」では観客の一人が舞台上に上がり、ブルーマンとともに息の合ったパフォーマンスを繰り広げる。合間には国生の大ヒット曲である『バレンタイン・キッス』が流され、こちらもバレンタイン限定の特別バージョンとなった。

そして終演後に行われた囲み取材では、この日の朝に入籍届を出したばかりの国生に、ブルーマンから青いバラの花束のプレゼントが。嬉しいサプライズに、国生の感激もひとしおといったようす。さらにショーの感想を聞かれると、「アトラクション的というか、お客さま参加型ですごく楽しいですね。だって何の打ち合わせもしていないのに、お客さまが自然とおもしろいことをしてしまう。ブルーマンさんはしゃべりもしないですし、目線ひとつでそれを促すというのは、やっぱりエンタテインメント性がすごく高いんだと思います」と興奮気味に語った。さらに「結婚した日にふたりで観させていただいた舞台なので、とてもいい記念になりました!」とコメント。入籍という思い出深い日が、ブルーマンとの共演により、さらに忘れ得ぬ1日となったようだ。

取材・文:野上瑠美子

『BLUE MAN GROUP IN TOKYO』のチケットはぴあにて3月30日(金)まで発売中。
生瀬勝久と古田新太が2月14日、WOWOWの連続ドラマ・ドキュメンタリー「勝・新(KATSUARA)」の記者会見に登壇した。この番組は生瀬と古田が新劇団を結成し、東京・渋谷の「CBGKシブゲキ!」で公演を行う事を目標に、豪華ゲストとともにステージを練り上げていく姿をドキュメンタリータッチで描いていく。

会見で生瀬は「せっかくやるんだったら、フェイクで始まっても最後はリアル(本物の舞台)でやった方が(番組を)観てる方も達成感あるでしょ」と本気で舞台上演を目指している様子。そんな生瀬を見て古田は「劇団は運営が大変だけど、生瀬さんは若い人の面倒みるのが好きだから」と軽いノリで笑わせる。会見に同席した演出の倉本美津留は「撮ってみて新しいことをしてるなと実感できます」と興奮した様子で語ると、すかさず生瀬が「僕らの負担が多すぎますって」と苦笑い。毎回違う大物俳優とのエチュード(即興劇)だけに「台本はあってもその日の僕らの体調やテンションによっても変わりますからね。危ない橋を渡っていますよ」と本音もチラリ。

気になる豪華ゲストは、現時点で伊勢谷友介、吉高由里子、風間杜夫、岩松了、松雪泰子が予定されている。実名で登場するゲストと生瀬&古田がどんなステージを練り上げていくのか。ドラマ・ドキュメンタリー「勝・新(KATSUARA)」は3月11日(日)深夜0時よりWOWOWプライムで放送開始。(全5回)
TEAM NACS 大泉洋 主演映画『しあわせのパン』の大ヒット御礼舞台挨拶が2月12日(日)、渋谷シネクイントにて行なわれた。
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▲『しあわせのパン』全国大ヒット公開中

本作は、北海道・洞爺湖のほとりにある小さなまち・月浦を舞台に宿泊設備を備えたオーベルジュ式のパンカフェ[マーニ]を営む夫婦と、その店を訪れるお客さまたちの人生を描く、春夏秋冬の物語だ。

妻の水縞りえを演じるのは、『時をかける少女』以降数多くの映画に出演、ミュージシャンとしても活躍し、2012年にデビュー30周年を迎える原田知世。その自然な存在感が、作品の世界観に安らかな空気を吹き込む。夫の水縞尚には昨年TEAM NACS15周年記念としてソロプロジェクト『大泉ワンマンショー』を行なうなど、映画・TV・舞台と幅広い活動が目覚ましい北海道出身の大泉洋。妻を寡黙に見守る夫を演じ、これまでとは違う新しい魅力を放つ。
共演には劇団ヨーロッパ企画から本多力が参加するなど個性的な俳優たちが脇を固め、四季の物語に彩りを加えている。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ率いる劇団ナイロン100℃が、第38回本公演として『百年の秘密』を本多劇場にて上演する。本作は、二人の女性の半生の物語。複雑でデリケートな関係、そして二人の間の秘密、二人をとりまく秘密が描かれてゆく、"シリアス度もシニカル度も高め"のドラマになる模様。

キャストは、犬山イヌコ峯村リエみのすけ大倉孝二ら劇団員、そして客演には、萩原聖人近藤フク田島ゆみか山西惇という実力派が揃う。

劇団でのオリジナル書き下ろし作品としては、一年半ぶりとなる待望の新作。さらに本多劇場での約一ヵ月公演の後、大阪、北九州、新潟ほか各地地方公演も予定されている。
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2006年の旗揚げ以来、志村けんが毎年挑み続けてきた舞台「志村魂」が今年も開催されることが決定、本日2月10日(金)出演者他、公演概要が発表された。

今年は、ダチョウ倶楽部、桑野信義らおなじみのメンバーに加え、いしのようこの「志村魂」初出演も決定!伝説のコンビ復活で、名作コントが帰ってくる!?新作をひっさげて豪華メンバー勢揃い!超メガ級の笑いになること間違いなし!!

《公演概要》
アトリエ・ダンカン プロデュース
志村けん一座 第7回公演 『志村魂-新作「先づ健康」-』

【内容】
1幕 1場 『バカ殿様』
     2場 コントライブ
2幕 1場 志村けん津軽三味線(作曲:上妻宏光 EMIミュージックジャパン)
     2場 『先づ健康』-松竹新喜劇より-

■脚本:朝長浩之
■脚本・演出:ラサール石井
■監修:志村康徳
■出演:志村けん、ダチョウ倶楽部、いしのようこ
      磯山さやか、みひろ、坂本あきら、桑野信義、他

<東京公演>
5月31日(木)~6月10日(日) 天王洲 銀河劇場

□チケット一般発売日:3月16日(金)
 料金:8500円(全席指定・税込)  ※4歳未満のお子様のご入場はお断り致します。
□チケットに関する問い合わせ:東京音協 03-5774-3030
(他、名古屋、金沢、福岡公演あり)

内野聖陽、田中圭が初共演する舞台『幻蝶』の製作発表会見が2月9日、都内にて行われた。『ALWAYS 三丁目の夕日』『キサラギ』『ゴンゾウ 伝説の刑事』など話題作を次々と手がけている脚本家・古沢良太がオリジナル戯曲を書き下ろす注目作だ。

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古沢が10年以上温めていたという物語は、幻の蝶を追いかける蝶オタクのダメ男ふたりを通し、コミカルな中に現代人の孤独を濃密に描くもの。蝶の捕獲の名人であり、豪胆で自信家のイケイケ男・戸塚は内野聖陽が演じる。「古沢君とは(内野が主演した)『ゴンゾウ』というドラマでご一緒して、すごい面白い本を書く人だなと思ったら、それが向田邦子賞を獲っちゃった。その方が今回は舞台の本を書いてくれるということで非常に楽しみにしていましたら、予想を上回る本当に面白い脚本でした。古沢君に先制攻撃を受けてしまったので、役者は徹底的に遊ぶしかありません。ワクワクしています」と脚本の面白さを熱弁。そして、同じく蝶マニアだがひきこもりの青年・真一に扮するのは田中圭。「僕も、これは面白い!と、笑ったり涙流しながら脚本を読みました」と語り、「真一は幻蝶を負い続ける姿が悲しく思える男の子で、でもそれが愛しくも感じます。愛着を持って作っていきたい」と意気込んだ。

出演者に絶賛された古沢は「多分いいものが書けたと思います」と控えめながら自信を覗かせ、「戸塚と真一は僕の中で10何年もいたので、やっと外に出してあげられる。しかも内野さんと田中さんという理想以上のふたりにやっていただけるので、どうだ文句ないだろう! 存分に暴れておいでと(キャラクターの)背中を押してあげたい気持ち」と話した。演出の白井晃も「僕も俳優として『ゴンゾウ』に出た時に、自分の出番が終わったあとの台本を読ませてくださいと言ったくらいに古沢さんの脚本に惹かれたんです。今回は古沢さんの描く面白い世界の中で、自分の中では最高の役者さんに演じていただける」と、こちらも自信を見せた。

「一番楽しみなシーンは、田中圭を犯そうとするとするところ(笑)。そのラブシーンが素敵で可愛くていいんです。(初共演なので)どんな子だろうと思ったら、とてもイケメンでおいしそうな男の子だった」と内野から衝撃発言も。一方田中からは「内野さんをおんぶするシーンがあるので、あまり食べないでください」という要望が内野に出されていた。

共演は七瀬なつみ、中別府葵、細見大輔、大谷亮介。公演は3月12日(月)に東京・シアタークリエにて開幕。4月4日(水)まで。チケットは発売中。その後4月12日(木)から15日(日)の兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールをはじめ、広島・新潟・福岡・仙台・長野でも上演される。
3月の東京・日生劇場公演を皮切りに、この春、東名阪で上演されるブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』。この作品でジキル&ハイド役を演じる石丸幹二を迎えたミニライブイベントが2月8日、東京・山野楽器で行われた。

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『ジキル&ハイド』は、とある目的から人格の善悪を分離する薬を開発した男が、分裂する人格を制御しきれず、愛と欲望の狭間で深く苛まれていくというR・L・スティーブンソンによる有名小説を原作にしたミュージカル。日本でも人気の高い作曲家フランク・ワイルドホーンの壮大な楽曲に彩られた世界的ヒット作だ。日本では2001年に鹿賀丈史主演で初演され、その後も上演を繰り返していたが、今回新たに石丸幹二を主役に据え、ニュー・プロダクションとして上演される。

この日も『ジキル&ハイド』の稽古場から駆けつけたという石丸は、黒のタートルネックに茶色のチェック柄のジャケットというラフな格好で登場。公演チケット購入者の中から抽選で選ばれた100名の観客が見つめる中、まずは自身のCDにも収録されている『スマイル』(映画「モダン・タイムス」より)を温もりある声で披露した。

その後のトークでは、鹿賀版をはじめNYや韓国など色々なバージョンでこの作品を観たという石丸が「(鹿賀版とは)全然違う、セットも違います」と語り、さらに自分の場合は「良い人格=ジキルで、悪い人格=ハイド、ではなく、僕は良い人格の中にも隙や悪い部分があったと思う。だから僕のジキルはそんなに良い人じゃないですよ(笑)」とアピール。他にも稽古場の現在の雰囲気や共演者の素顔などを楽しげに話した。さらには「今までの日本版にはなかったナンバーが追加になります」という情報を明かし、「かなりのビッグナンバーですよ。歌唱指導の先生に“石丸君、ここで燃え尽きてしまわないようにね”と言われました」と話し期待感を煽っていた。

イベントの最後には劇中の代表的ナンバー『時が来た』を熱唱。集まったファンたちも熱心に見入っていた。公演は3月6日(火)から28日(水)に東京・日生劇場、4月6日(金)から8日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、4月14日(土)・15日(日)に愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。チケットは発売中。
蜷川幸雄が率いる若手演劇集団さいたまネクスト・シアター。その第3回公演となる『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』が、2月20日(月)から3月1日(木)まで、彩の国さいたま芸術劇場で上演される。

2012年・蒼白の少年『少女たちによる「ハムレット」』公演情報

稽古場では、無名の若い役者たちが衣裳や演技のアイデアを出し、そこに蜷川の情熱的な声が飛んでいた。「今ある自分の感性を信じすぎるなよ!」「他人と似ないことをしろ!」「そんなことで新しい風を持ち込めるのか!」……若者たちは途方に暮れながらも、考え、動き、また打ちのめされ、自分にしかできない表現を少しずつ探っていく。

厳しい演出だが、「若い連中を矯正するつもりはないよ」と蜷川は言う。実際、昨年のオーディションでは「無表情」の若者たちをあえて選んだ。デジタルな電子機器に囲まれ、遮蔽物を通してしか他者と関われない現代への興味がそこにはある。しかし蜷川はまた、まるで若者たちを挑発して楽しむかのように言い放つ。「オレはお前たちをそこまでは肯定しないぞ!」

自身、7度目の演出となる『ハムレット』については、「いつも謎が残り、取りこぼしてしまうものを感じてきた」という。今回は舞台装置にアクリル板を使い、ひんやりとした距離感を体現する。「氷の張った池の下にいる金魚を眺めるようなハムレット。報復の連鎖に荷担することを躊躇し、透明な抑圧の中に生きる姿を描きたい」。

翻訳テクストは、藤原竜也が主演した2003年版と同じく河合祥一郎訳。一部カットはするものの恣意的な変更は加えない。そうしたある種の「不自由な条件」の下に他者を信頼し、その言葉を許容していくプロセスに、蜷川は演劇の可能性を見ているようだ。

最大の見所は、演歌歌手・こまどり姉妹の特別出演! 蜷川はおよそ40年もの長きにわたり、「生活者の目線」として、極貧生活から這い上がってきた彼女たちの存在を意識してきた。果たしてこまどり姉妹はどのように舞台に登場し、そこに若い役者たちはどう応えるのか?「3.11で、老人も若者も子供もみんな体育館に雑居する生活のるつぼが生まれた。かつての演歌にあった混沌さのようなものが、一気に露見してくる共通の土壌が今、できたんじゃないか」。

世界的演出家と、無名の若者たち、そして伝説の演歌の女王による実験的『ハムレット』。予想を超えたセッションが生まれそう。チケットは発売中。

取材・文:藤原ちから
霊をも交えた男女が織り成す、おかしくも切ないファンタジックコメディー「スピリチュアルな1日」!昨年、紀伊國屋サザンシアターにて上演された本作の再演が決まった。
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▲出演の石田明(NON STYLE)、須藤理彩、片桐仁

2011年秋、渋谷の中心地に誕生した劇場「CBGKシブゲキ!!」。注目の劇場が今回新しく発信する企画、リーディングドラマ「Re:」(アールイー)第1段がこの春、いよいよ始動する。
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本企画は、A.R.ガーニーの名作「ラヴ・レターズ」のように、何組もの俳優により長い期間に渡って上演されることを想定した、大人の男女のドラマ。現代のネット社会に生きる我々のための新作を土田英生が書き下ろす。
宝塚歌劇団月組のトップコンビ、霧矢大夢(きりや ひろむ)と蒼乃夕妃(あおの ゆき)の退団公演となる『エドワード8世』『Misty Station』が2月3日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。

宝塚歌劇月組『エドワード8世』のチケット情報

第1部の『エドワード8世』は、20世紀初頭のイギリスを舞台に“プリンス・チャーミング”と呼ばれ、国内外問わず大衆的な人気を博したイギリス国王、エドワード8世の史実を元にしたミュージカル。人々から愛されながらも、アメリカ国籍で2度の離婚歴のある女性、ウォリス・シンプソンとの愛を全うしたため、王位を捨てることとなった彼の虚像と実像を掘り下げて描いている。

物語は、エドワード8世の葬儀から始まり、ふたりの出会いへと遡る。葬儀のシーンでのラジオを利用した意外な演出が面白く、観客の心をグッとステージへと引き寄せる。気さくでモダンな感覚を持つ皇太子デイヴィッド(=エドワード8世)を演じる霧矢は、軽快な口調でステージのテンポを作る。そうかと思えば、自由奔放に見える裏側で、ひとりの人間として抱える負の部分も繊細に表現。霧矢の演技巧者ぶりが堪能できる。相手役の蒼乃は、地位を得るために近づいたウォリスの、デイヴィッドへの心の変化を丁寧に演じ、寂しさや弱い部分も滲ませながら芯のある強い女性に仕上げている。

また、狂言回しの重要な役割を担うのは、2番手の龍真咲。英国放送協会(BBC)のプロデューサー、ガイ・バージェス役で、登場人物の内面にも切り込みつつ、観客が混乱しないよう、物語をスムーズに伝えている。3番手の明日海りおは、デイヴィッドに振りまわされながらも、時には厳しく、優しい目線で見守る秘書役。明日海の柔らかい印象を生かしながら、皇太子へも臆せずストレートに発言する強さや、近くにいても役に立てないもどかしさを細やかに見せている。

第2部のショー『Misty Station』は、霧矢の旅立ちを想起させるシーンからスタート。霧矢扮する旅の青年Mistyがトランクと地図を手に、冒険へと出て行く。そこからは数々のダイナミックなシーンが展開。宇宙、ジャングル、アラビア、謎めく街など、色とりどりの世界を旅していくMisty。中でも、ズラッと一列に並んだ月組生に囲まれ、中央で霧矢がひとり歌う場面や、黒燕尾に身を包んだ男役たちの一糸乱れぬダンスは壮観。思わずため息が漏れるほどに美しい。また、霧矢と蒼乃の息ぴったりのデュエットダンスはもちろんのこと、龍や明日海、今回同時退団する青樹泉、一色瑠加らにも見せ場があり、月組の圧倒的なパワーが堪能できるショーに仕上がっている。

トップスターのラストステージだけに、両作品ともサヨナラをイメージしたシーンや歌が随所に盛り込まれる。歌、演技、ダンスと、3拍子揃った霧矢の魅力がいっぱいに詰まったステージをぜひ。

兵庫公演は3月5日(月)まで上演。また、3月23日(金)から4月22日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは2月19日(日)一般発売開始。
舞台『戦国BASARA』シリーズや『深説・八犬伝~村雨恋奇譚~』などの脚本・演出を担当して人気の西田大輔が、主宰する劇団AND ENDLESSに戻り、あの“三国志”に挑戦する。『RE-INCARNATION』と題された本作は、米倉利紀(諸葛亮孔明役)や中村誠治郎(趙雲子龍役)、広瀬友祐(夏候惇元譲役)らが出演する豪華版。コミックの原作やアニメの脚本なども手掛け、エンタメ性豊かに人間ドラマを描いてきた西田が、誰もが知る歴史絵巻をどう描くのかに注目が集まる。1月下旬、都内の稽古場を訪れた。

『RE-INCARNATION』チケット情報

稽古場に入ると、汗ばむほどの熱気にまず驚いた。あちこちで自主稽古を繰り返していたキャストのテンションは、立ち回りの稽古に入ってますます上昇。長槍、刀、剣など様々な武器を手に、ダイナミックなアクションショーンが連続して展開する。入れ替わり立ち代わりのキャストたちは「もっと早く!」「いけ!」などと盛んに声を掛け、抜群のチームワークを垣間見せるひとコマも。そんな中、華やかな扇子を持って登場したのは孔明役の米倉。突っ込む追っ手を鮮やかにかわし、敵勢を睨む姿はすでに知将の風格だ。新感覚の“三国志”に、俄然期待が高まった。

「西田さんの描く世界観に惹かれて出演を決めました」という米倉は、孔明を演じるにあたり、細かい下調べは要らないと西田に言われたという。「もちろん頭の切れる男というのはベースにありますが、この作品ではユーモアや人間くささもたっぷり描き込まれている。それならイメージを固めないで稽古に入ったほうが、孔明の芯をとらえることが出来ると思った」と稽古を楽しんでいる様子。得意のアクションで自主稽古のリーダーを担う中村も、「一体感はお客様に伝わると思うから、そこは大切に」としつつ、「趙雲は優しくて強い男。恋愛もあるので、芝居の部分でもきちんと見せられれば」と意気込む。長槍で激しい立ち回りを見せる広瀬は「夏候惇は戦闘能力が95で知能は40と言われたので、普段の僕と似てるかな」と笑いながらも、「西田さんやキャストとのやりとりを重ねて、熱くて野太い夏候惇を作っていきたい」と話した。

本作の焦点について、「中村くんもそうですが“見せる表現”に長けた人たちが奇跡的に集まったこと。そして才能を持ちつつ、常に真摯な米倉さんが孔明を演じること。このふたつによって“孤高の男が光を見つける物語”を描けると思いました」と西田。「お客様も一緒にその光を探してほしい」と結んだ。

公演は2月10日(金)から19(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて開催。チケットは発売中。

取材・文 佐藤さくら
1980年代後半、NYの路上パフォーマンスからスタートし、現在、東京・六本木を含めた世界7都市でロングラン公演を継続中のブルーマングループ。東京でのショーをスタートしてから今年で4年、海外エンターティメントとしては異例のロングラン公演を続けてきたが、3月31日に遂に千秋楽を迎える。

ブルーマングループのチケット情報

そんなブルーマンが2月7日、東京インターナショナルスクールの子供たちと“アートセッション”を行った。元々、地域に根ざすショーを目指して来たブルーマンは、今までも様々な社会貢献活動に取り組んできた。特に日本で起きた震災後は「CONNECT~ツナグ・ツナガル~」というスローガンを掲げ、被災地からの避難者を招待、募金活動、チャリティグッズの収益を義援金として送るなどの活動を続けてきた。今回の取り組みもこの活動の一環として行われたもの。

イベントでは、子供たちが東北の被災地へのメッセージを描き始めたところに、サプライズでブルーマンが登場。はじめは驚いた子供たちもすぐに強い好奇心でブルーマンと心を通わせ、一緒にアートセッションに取り掛かった。水鉄砲や魚拓ならぬ人拓(?)、口で絵具を吹き付けてみたりと、常識や既成概念にとらわれない方法を駆使。見たことのない“前衛アート”が完成すると、子供たちは大喜び。日本での公演もあとわずかとなったブルーマンとの貴重な時間を楽しんだ子供たちは、あらためて、被災地東北への思いを強くした様子だった。

ブルーマングループの日本公演は東京・六本木ブルーマンシアターにて3月31日まで上演。チケットは発売中。
三谷幸喜が2012年6月より3ヶ月間連続、パルコ劇場にて連続上演することが決定した。
51年目の三谷幸喜も目が離せない!!初チェーホフ×初ロングラン×初文楽と初ものづくしで3ヶ月連続上演に挑む!

第1弾:初 チェーホフ 三谷版『桜の園』
第2弾:初 ロングラン 『なにわバタフライN.V』
第3弾:初 文楽            三谷文楽『其礼成心中』
完璧なる執事・鎌塚アカシが帰ってくる!
『鎌塚氏、放り投げる』に続くシリーズ第2弾は、演劇としては無謀ともいえる「海洋パニック」の要素を盛り込んだ野心作!豪華客船を舞台に繰り広げられる、倉持的「スクリューボール・コメディ」の決定版!
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アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズの自伝的作品『ガラスの動物園』が3月より、東京・シアターコクーンで上演される。2月6日、稽古場で会見が行われ、演出の長塚圭史と出演の立石凉子、深津絵里、瑛太、鈴木浩介が登壇した。

『ガラスの動物園』チケット情報

2011年に生誕100年を迎えたテネシー・ウィリアムズ。彼の戯曲は世界中で頻繁に上演されており、中でも本作と『欲望という名の電車』は日本でもたびたび上演されている。『ガラスの動物園』は、かつて家を捨てた息子トム(瑛太)が、観客に向けて過去の出来事を語りかける、“追憶の芝居”という形で進行する。1930年代のセントルイスでつましく暮らす3人の家族。子供たちの将来に現実離れした期待を抱いている母アマンダ(立石)。ガラス細工の動物たちと父が残した擦り切れたレコードが心の拠り所の内気な姉ローラ(深津)。父親不在の生活を支える文学青年の弟トム。ある日ローラに紹介するため、トムが会社の同僚ジム(鈴木)を夕食に招いた。惨めだった家族につかの間の華やぎがもたらされたかのようだったが……。

長塚は「普遍的な家族の話であり、切っても切れない家族の縁、業の部分が色濃く出ている。これは“追憶の芝居”なので、瑛太が演じるトムの記憶が家族を表出させていき、現代劇として力強い部分になっていくんじゃないかと思う」と語った。また、演出プランとして「家族の思い出とトムが出会う記憶と繋がるモノたち(ダンサー)を入れてみようと思った。彼と家族の隔てた時を繋ぐ細胞のような存在になれば視覚的に面白く見せられると思う」と明かした。

姉弟を演じる深津と瑛太はこれが初共演。深津の印象を尋ねられた瑛太は「深津さんがお姉さんというのは幸せです。素敵な方で、誤解を招きそうですが“武士みたいな人だな”と。どうしたらそこまでスっとしていられるのかと思います」とコメント。深津は「武士みたいと言われたのは初めてではないので、そんなに驚きはしないです」と苦笑しながらも、瑛太に対し「(役が)姉弟だからとかで無理に距離を縮めなくてもそこに居てくれて、一緒にいて疲れないから演じる事に集中できます。若いのに落ち着いていて、私とテンションが近いのかなと思います」と信頼を寄せる。また立石と鈴木はそれぞれ「このキャストと演出が長塚さんと聞いて1秒以内に“やります!”とお返事しました」(立石)、「役柄でも深津さんから憧れてもらっているなんて役者の醍醐味です。人生でもこんなチャンスは2度とないと思うので、最後の舞台になってもいいという気持ちで作品に向かいます」(鈴木)と意気込みを語った。

公演は同劇場にて3月10日(土)から4月3日(火)まで上演。チケットは発売中。
D-BOYS STAGE 10th『淋しいマグネット』に出演する柳下大さんにインタビューに応じていただきました。
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柳下大
第3回D-BOYSオーディショングランプリを受賞。その後、『赤い糸』、『タンブリング』(TBS)など数々の話題作に出演。昨年は、舞台『熱海殺人事件』、ドラマ『下流の宴』(NHK)、『花ざかりの君たちへ イケメン☆パラダイス 2011』(CX)、D-BOYS STAGE 2011『検察側の証人 ~麻布広尾町殺人事件~』と大活躍。4月には、『あっこと僕らが生きた夏』(NHK)が放送。また、スコットランドの気鋭の演劇作家、ダグラス・マックスウェル珠玉の名作を日本初上演にして、D-BOYS STAGEシアターコクーン初進出の本作が控えている。

KAAT(神奈川芸術劇場)のオープン1周年にあたる2012年に、世界で活動の場を持つウィル・タケットの演出・振付により、日本の民話『鶴の恩返し』を舞台化、ダンス作品として世界初演する。2月3日、製作発表会見が行われ、ウィル・タケットと出演の首藤康之、音楽を手がける藤原道山、ダンサーの衣裳と劇中で使う鶴が織る3枚の布をデザインするワダエミ、そしてKAATの芸術監督である宮本亜門が登壇した。

「鶴」 日本民話“鶴の恩返し” チケット情報

今回の舞台は、英国のロイヤル・バレエやロイヤル・オペラを中心に活躍しているウィル・タケットによる新作で、KAATのNIPPON文学シリーズ第2弾として上演される。日本人なら誰でも知っている民話『鶴の恩返し』を英国人の視点で捉え、広い視野のもと創作しようという一大プロジェクト。日本を代表する世界的なバレエダンサー首藤のほか、共演者も英国バレエ界からの選りすぐりのダンサー達が参加。また、現在英国や米国で大ヒット中の舞台『War Horse(邦題/軍馬ジョーイ)』のパペット技術を導入し、鶴の描写をエモーショナルに表現する。さらに、音楽は藤原とロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどで活躍するポール・イングリッシュビーとのコラボレーションによる和洋の協奏となる。藤原は本番の舞台でも尺八の演奏を行う。

世界で活躍する一流のキャスト、スタッフが集結する舞台に宮本は「ウィルにジェラシーを覚えるくらい、一緒に仕事をしたいと思う最高のみなさんとのコラボレーションです」と興奮気味に話していた。タケットも「文化の鍋がグツグツ煮たっている感じ」と表現し、日本と英国のコラボレーションから生まれる作品を楽しんで欲しいと語った。また、作品の内容については「このお話は、ある男が親切な気持ちを持つことから始まります。ところがだんだんと欲深くなってしまうという面白い伏線があり、これは日本固有の話ではなく普遍的な話だと感じました。人間は親切にもなれるが自己中心にもなってしまう。ですが、人間には学ぶという能力が備わっているので、その能力を発揮して欲しい」と自身が感じた作品世界を明かした。

主演の首藤は「日本では悲しい物語として扱われる事が多いですが、人間のあらゆる感情が含まれている作品だと感じました。ストーリーだけを語るのではなく、日本文学を題材にしながら全世界に発信できるような舞台にしたい」と意欲をみせた。会見では藤原が本作をイメージして作った曲を尺八で披露。ワダも3枚の布に込めたテーマ(太陽、月、飛び立つ鶴)を話すなど、それぞれが持てる力を発揮し、舞台を創作している様子が伺えた。

公演は3月16日(金)から18日(日)まで同所にて上演。チケットは発売中。
岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット・地球ゴージャスが、3月から5月にかけて全国5都市にて新作『海盗セブン』の公演を行う。本格的にスタートしたその稽古場に潜入し、キャストのひとりである三浦春馬にインタビューを行った。

『海盗セブン』公演情報

この日は台本の読み合わせが行われ、ロの字に並べられた長机には出演者が座っている。軽快なテンポでセリフの応酬が続くかと思えば、細かいニュアンスを時折指示していくのは演出を務める岸谷だ。「ちょっと自分だけでしゃべりすぎ。セリフをもっと大きく、外へ」という岸谷の言葉に、三浦春馬は「はい」とうなずく。また、セリフのイントネーションに苦労する俳優がいれば、淡々としたテンションのまま、さりげなくギャグを飛ばす岸谷。その言葉に空気が一気に和む。

『海盗セブン』は、かつて7つの海を盗み出したと言われる7人の大怪盗の物語だ。その怪盗のひとりを演じる三浦にとって、地球ゴージャスへの参加は2度目。前回出演した『星の大地に降る涙』(2009年)では初舞台にして主人公という大きなプレッシャーを課せられたが、それを乗り越えてきた経験からか「地球ゴージャスというカンパニーに少しは慣れたつもりなので、稽古場でも最初からコミュニケーションもとれましたし、自信を持って稽古することができているかなと思います」と語る。彼にとって地球ゴージャスは、ダンス、殺陣など様々なジャンルの“プロが集まっている場”で、その中で揉まれるうれしさは一塩らしい。さらに今回は、大地真央、森公美子、小野武彦らそうそうたるベテラン俳優との共演となった。「一緒に稽古するだけで、先輩たちがたどってきた“山”を感じます。多分、必死に時間をかけて練りあげてきたものですよね。それを毎日実感してます」。

読み合わせの後はダンスシーンの稽古に。地球ゴージャスには欠かせない大がかりな群舞、その振付が行われていく。そして稽古場の後ろでは、鏡の前でひとりでダンスを黙々と練習し続ける三浦春馬の姿があった。「前回はどストレートな役柄だったんですけど、今回はいろいろ試せる役柄。稽古場では、恥をかくことを恐れず、色々な演技パターンを試していきたいなと。今まで見せたことのない自分を見せたいですし、カッコ良く演じられたらうれしいです」。そう語った三浦だが、ダンスも歌も彼のスキルは相当なもの。映像では見られない、立ち姿、動き、表情、声の三浦に出会えることを期待したい。

地球ゴージャスプロデュース公演Vol.12『海盗セブン』は、3月8日(木)から4月22日(日)まで東京・赤坂ACTシアターにて上演された後、名古屋、新潟、福岡、大阪にて公演を行う。

取材・文:川口有紀
音楽劇 カラミティ・ジェーン』が2月4日(土)、ル・テアトル銀座にて開幕した。
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▲(写真は公開舞台稽古より)「嵐を呼ぶ女」ジェーン。波乱に満ちた人生の幕が上がる!

本作は、19世紀のアメリカに実在した伝説の女性、マーサー・ジェーン・カナリーの半生を題材に1950年代に映画化。その後フランスの脚本家ジャン=ノエル・ファンウィックの戯曲で舞台化、日本でも数多く上演され、2008年の湖月わたる主演の本公演が大好評を博した。 いよいよ待望の再演が上演される!

嵐を呼ぶと謳われた女「カラミティ・ジェーン」。波瀾万丈の人生を生き抜いたジェーンの生涯を初演に続き、湖月わたるが演じる。共演には石原プロモーション期待の若手俳優・金児憲史、ダンサーとしても人気の高いパパイヤ鈴木、その他ジェーンの周囲を取り巻く、新鮮な個性あふれる俳優陣を、『CHICAGO』ほか多数の名作を手がける人気演出家の吉川徹が牽引し、華やかな中にも深みのある人間ドラマを創り上げる!
熊川哲也 Bunkamuraオーチャードホール芸術監督就任記念Kバレエ カンパニーシンデレラ』が2月2日(木)、Bunkamuraオーチャードホールにて開幕した。
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▲熊川哲也、オーチャードホール芸術監督就任記念『シンデレラ』世界初演!

世界の頂点を極めたバレエダンサーであり、Kバレエ カンパニーを率いる芸術監督―
パフォーミング・アーツ界を牽引する芸術家として不動の地位を確立する熊川哲也が、2012年1月、Bunkamuraオーチャードホールの芸術監督に就任。

記念すべき就任第1弾公演は、自身の演出・振付による新作バレエ『シンデレラ』。 今や現代屈指の演出家としても名高い熊川が満を持して贈る本作は、バレエという総合芸術への妥協なきこだわりに満ちた至高のファンタジーだ。

オジリナリティに富んだストーリー展開、ダンサーならではの視点で構築される見ごたえあふれるダンス。そして、ほかに類をみない神秘の空間で繰りひろげられる"魔法の瞬間"の驚きと感動------クラシックの王道を熊川流儀で貫いたこの新プロダクションは、よく知るはずのペローのおとぎ話にまだ見ぬ発見と新たな輝きをもたらすこと必至!

熊川マジックに満ちたファンタジー超大作が、またひとつシアター文化の扉を開く!!
作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)と、女優・広岡由里子との演劇ユニット「オリガト・プラスティコ」。その第5弾となる『龍を撫でた男』が、2月3日(金)、東京・本多劇場にて初日の幕を開ける。初日前日の2日、通し稽古が行われた。

『龍を撫でた男』チケット情報

精神病医の佐田家則は、妻の和子とその弟・秀夫、義母との4人暮らし。かつて事故でふたりの子供を亡くしており、そのショックから義母は精神に異常をきたしてしまっている。正月、そんな佐田家を訪れた、家則夫婦の知人で劇作家の綱夫と舞台女優の蘭子兄妹。綱夫は和子に、秀夫は蘭子に気があり、また蘭子と家則はちょっとワケありの様子だ。5人の思惑が交錯する中、「異常心理学会創立準備委員」と名乗る男たちまでもが現れて……。

作・福田恆存、演出・KERAという、なんとも意外かつ、ワクワクする組み合わせが実現した。福田は評論家としても著名なだけに、硬い文章を想起する人も多いかもしれない。だが『龍を撫でた男』というタイトルからも分かるように、その文体はどこかユーモラス。さらに人間という愚かな生き物に対する優しい眼差しが、セリフの端々から感じることができる。恐らくKERAが本作に惹かれたのも、そんな点にあったのではないだろうか。そしてKERAは、その福田の世界観を過度に現出させることなく、それでいて行間には彼らしい過剰さもしっかり忍ばせる。もちろんそれを体現できる、KERA作品おなじみの役者陣が担ったものの大きさは言うまでもない。

夫として、そして精神病医として妻を見守り、そして苦悩を募らせていく家則を演じるのは、山崎一。彼の中に積み重ねられていった、佐田家の負の要素。それゆえの微妙な変化を見せられるのは、やはり山崎の高い演技力あってこそだろう。和子役の広岡由里子、綱夫役の大鷹明良、蘭子役の緒川たまきは、感情の起伏、間合い、話し方など、正気と狂気の境界線上にいる人間ならではの見せ方が絶妙。狂気をさまよう人間の、切なさまでもが伝わってくるようだ。また秀夫演じる赤堀雅秋は、いい意味での気持ち悪さを醸し出し、その存在を強く印象づけた。

本作の登場人物たちは、山崎演じる家則以外、何かしら皆精神を病んでいる。ゴーリキーの『どん底』の歌詞のように、暗い牢屋の中で、鉄の鎖に捕らえられてしまっているのだ。だが果たして牢屋にいるのは自分なのか、相手なのか。そして人生で真に望むべきものは、新しい冒険なのか、日々の繰り返しなのか。狂気と正気の差はまさに紙一重。辛辣なラストに、その答えを見た気がした。

公演は同劇場にて2月12日(日)まで。チケットは発売中。

文・野上瑠美子
2月1日にはジャニーズ初のDVDデビューを果たしたA.B.C-Zが初座長を務める『ABC座 星(スター)劇場』が、2月4日(土)に東京・日生劇場で開幕する。その初日に先駆け3日、同所にてメンバーが会見を行った。

ABC座 星(スター)劇場 チケット情報はこちら

デビューDVD『Za ABC ~5stars~』はオリコン・デイリーチャート1位を独走中。デビューが待ち望まれていたジャニーズきっての実力派5人組が、今度は初座長公演に挑む。公演は新作オリジナルミュージカル『We are the Five Stars!』と、A.B.C-Zライブの2部構成だ。この日は1部のミュージカルのクライマックスシーンを取材陣の前で公開。「Five Star」と称した直系4メートルの星型セットを登場させ、モーターを使わずA.B.C-Z5人の力で回転させるという、アクロバットとチームワークを持ち味とする彼ららしいスーパー・パフォーマンスを披露した。

会見では橋本良亮が「バッチリです!」、河合郁人が「準備は万端で自信もあります。120%の力を出します」と自信満々の言葉。この日見せたパフォーマンスについては「ダンスにも注目してほしい」(五関晃一)、「(Five Starは)僕たちオリジナルのアクロバットの技です」(塚田僚一)、「(5つのうち)一個でも欠けたらだめなんです」(戸塚祥太)、「息の合わないグループだとできません!」(河合)とチームワークもアピール。5人の個性が爆発する熱いパフォーマンスを楽しみにしたい。

公演は2月29日(水)まで同所にて。Sexy Zoneの中島健人、菊池風磨、noon boyzの真田佑馬、野澤祐樹も交互出演し華を添える。チケットは発売中。
いしいしんじのファンタジックな小説『トリツカレ男』をキャラメルボックスが舞台化。連日満員御礼となった2007年の初演は、劇団代表で脚本・演出を手掛けた成井豊が「ここ10年で1、2を争う、我々やる側の手ごたえとお客さんの好評が見事に一致した公演」というほどの成功を収めた。その自信作にふたりのゲストを迎え、5年ぶりに再演。初演より続投で主役ジュゼッペを演じる劇団員の畑中智行、ゲストの星野真里(ヒロインのペチカ役)、金子貴俊(トト役)に話を聞いた。

キャラメルボックス『トリツカレ男』チケット情報

星野演じるペチカは、外国から来た謎めいた少女。片言でしか話せないが、その胸にある悲しみを抱えている。「台本で読む限りでは本当にかわいらしくて、ジュゼッペが彼女の魅力にとりつかれてしまうのも無理はないというような女の子(笑)。でもそのイメージでやってしまうとアニメのキャラクターのようになってしまってしまうから、いろんな感情が渦巻く生身の女性として存在してほしいと先日成井さんに言われたところです」(星野)。金子演じるトトはジュゼッペの良き相棒で、なんとネズミ役!金子は成井演出の『つばき、時跳び』(2010年)の出演で成井からの信頼を得てのキャラメル出演となる。「前回、成井さんに『もっと、こうして』など指示された記憶が全くなくて。今回は、いろいろご指導いただいています。客演としての参加ですが、キャラメルの劇団員として接していただいている気がして嬉しいです。キャラメルの皆さんは普段のリアクションも舞台上みたい(笑)。もちろん稽古でも『わっ、次こう来たの?』の繰り返しで、今必死に戦ってますね!」(金子)。そのトトと行動をともにするジュゼッペ役の畑中は、初演との違いを予想する。「初演は、トトを演じた劇団の大先輩の岡田達也と僕との素の関係性が反映されて、親が子を叱るような構図でした(笑)。でも今回の金子さんとは歳が近いので、一緒に遊んで話を進めていくというような画になるのではないかと思います。初演よりだいぶやかましくなるかもしれませんね(笑)」(畑中)。

東京公演は、劇団史上最大規模の赤坂ACTシアターでの上演。「ジュゼッペの三段跳びや大道芸など、大仕掛けで見せるシーンが多い作品。大劇場でやるともちろん迫力が増すはず!」(畑中)。それに加え、ラストシーンも初演以来5年越しとなる成井の思いが込められた、新しい趣向に変更予定だ。キャラメルのモットーの“人が人を想う気持ち”が巨大な空間に充満する、そんなハートウォーミングな体験をしにいこう。

取材・文:武田吏都
井上芳雄が主演するミュージカル『ハムレット』が2月1日、東京・シアタークリエで開幕した。

ミュージカル『ハムレット』公演情報はこちら

世界中で上演されているシェイクスピア悲劇だが、今回上演されているのは1999年にチェコ・プラハで初演された作品。日本では珍しい“チェコ・ミュージカル”だが、チェコで最も有名なミュージシャンのひとり、ヤネック・レデツキーが生み出した本作は、これまでにブロードウェイや韓国でも上演されており、世界的にも注目度が高まっている。

物語は、デンマーク王家を舞台に、王子ハムレットが父を殺し王座と母を奪った叔父に復讐を果たす――という、基本的には原作に忠実なもの。だが、物語の展開よりも登場人物の感情に重きを置き、ギュッと凝縮されたスピーディな展開に。そしてエレキギターのサウンドが印象的なロックナンバーや軽快なポップスなど、多彩な音楽が斬新で、新鮮な『ハムレット』になっている。栗山民也の演出も、城壁を思わせる高さのある壁を一面に配したセットの中、陰影を効果的に使いドラマチックに仕上げた。

タイトルロールの井上はこれまでも“王子”的役柄を数多く演じてきており、その意味で彼にとって王道の役かと思ったが、意外にも今までにない新鮮さをもってハムレットを演じている。嘆き、憎しみなど強い“負”の感情を爆発させるハムレットは激しく生々しく、だが目が離せない魅力を放つ。その井上ハムレットを取り囲むメンバーも強力だ。美しく気品あり、そして愚かさも持つ王妃ガートルードを演じる涼風真世はこれ以上ないほどのハマリ役。敵役のクローディアスの村井國夫の重厚さや、ヒロイン・オフィーリア役の昆夏美の透明感、妹オフィーリアへ温かい愛情を注ぐレアティーズ役の伊礼彼方など、それぞれが納得の存在感だ。またハムレットの親友ホレーショー役の成河(ソンハ)の爽やかさ、時にコミカルな演技で作品のガス抜きもするポローニアス役の山路和弘らも印象的。この大劇場常連のキャスト陣が揃い、600席強のコンパクトな劇場で見せる熱演は圧巻だ。

公演は2月22日(水)まで同所にて。その後2月25日(土)から28日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、3月3日(土)・4日(日)に愛知・中日劇場でも上演される。チケットは発売中。
1月31日(火)、丸美屋食品ミュージカル『アニー』 の制作発表が行われた。
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約9,000人の応募者の中から本年選ばれたアニー役(Wキャスト)松田亜美と菊池 愛。そして初ミュージカルとなるミス・ハニガン役の松本明子、7年連続ウォーバックス役を演じる目黒祐樹からコメントが届いた。

コメントは以下
今年、ウィーン初演から20年目となるミュージカル『エリザベート』。2012年版の製作発表が1月31日、都内にて行われ、出演する春野寿美礼、瀬奈じゅん、山口祐一郎、石丸幹二、マテ・カマラスらが登壇した。

『エリザベート』チケット情報はこちら

作品は19世紀末のウィーン、ハプスブルク家を舞台に、窮屈な宮廷生活の中、自由を求め生きた皇后エリザベートの生涯を綴る物語。実在したエリザベートと、架空の存在である“死”=トートの愛憎を主軸に、崩壊に向かっていく王家に生きる人々の姿を、美しい音楽に乗せドラマチックに描く作品だ。日本では1996年に宝塚歌劇団が初演、2000年からは男優も含めたミュージカル版としても上演、こちらも公演を繰り返し前回までで903回の上演回数を誇っている。

エリザベート役は春野寿美礼、瀬奈じゅんのダブルキャスト。圧倒的な歌唱力で人気を集め、宝塚時代にトートも演じている春野は今回、エリザベート役に初挑戦。「孤独感とそれでも自分の思いを貫き通す強い意思。孤高のお妃というのがどういう感覚なのか、自分の体で味わいたい」と少し緊張の面持ちで意気込みを語った。瀬奈は前回(2010年)公演に引き続いての出演。「20年も愛され続けている作品に出させていただくプレッシャーも感じながら、皆さんと良いものを作っていきたい」とコメント。春野がトートを演じた宝塚花組公演ではエリザベート暗殺犯ルイジ・ルキーニを演じていた瀬奈は「今度はふたりで(ルキーニの)ナイフに刺されましょう」と春野に笑いかける一幕も。

エリザベートを死へと誘うトート役は、2000年の初演から出演している山口祐一郎、前回に引き続き出演する石丸幹二に加え、本場ウィーンでもトート役として出演しているマテ・カマラスのトリプルキャスト。「ひとりじゃ乗り切れないけれど、“ファミリー”と一緒ならこの凄い作品も乗り切れる。今年も素敵な夢を見ることができます」(山口)、「みなさんの経験から私も色々と学び、初心に戻って精進したい」(石丸)とそれぞれ意気込みを。また、マテ・カマラスは「大好きな日本で、帝劇の舞台に立つことができて幸せ」と流暢な日本語で話した。マテについては演出の小池修一郎が昨年の震災直後に行われた日本での公演に出演するため、家族や友人の制止を振り切って来日したと話し「彼の日本への思い、仕事に対する責任感に感動した。たくさんのトートを観ましたが彼のトートは一番ナチュラルでワイルド。死のエネルギーを前面に出してくる」とその魅力について語ってもいた。

会見はほかにルキーニ役の高嶋政宏、ルドルフ役の大野拓朗、平方元基、古川雄大も出席。高嶋は「甥っ子が少年ルドルフ役のオーディションを受けて落ちました!」というエピソードも明かしていた。公演は、5月9日(水)から6月27日(水)まで東京・帝国劇場にて。チケットぴあでは2月17日(金)11:00から21日(火)11:00まで最速先行「いち早プレリザーブ」、2月21日(火)11:00から26日(日)11:00まで先行抽選「プレリザーブ」を受付。その後福岡、愛知、大阪でも上演される。
6年に渡る劇場の改修工事を終え、新しい劇場をオープンさせたボリショイ・バレエが、劇場復活後初めての海外公演である、日本公演の初日を迎えた。初日に行われた公開リハーサルと、ミハイロフスキー劇場に移籍のため、ゲストダンサーとして参加した、イワン・ワシーリエフが踊った『スパルタクス』初日の様子をレポートする。

「ボリショイ・バレエ」チケット情報

グリゴローヴィチ時代を彩るスターダンサー、セルゲイ・フィーリンが、昨年3月芸術監督に就任し、新しい劇場も大々的にオープンさせ、グリゴローヴィチ生誕85周年記念のお祝いを込めたラインナップを、日本公演で披露する。本公演の前に、公開リハーサルが開催され、第1幕は初日のキャスト、第2幕以降は2日目のキャストで行われた。グリゴローヴィチの振り付けはダイナミックで、ダンサーたちがそれぞれの個性で役に命を吹き込んで完成していく。イワン・ワシーリエフは数時間後に迫る幕開けへの勢いを保ったまま、物凄い跳躍の連続技を魅せた。ダブルキャストでスパルタクスに抜擢されたパヴェル・ドミトリチェンコは、前回の来日でロットバルトの好演を残したが、超絶な回転技などのテクニックを魅せ付け、繊細なアンナ・ニクーリナとの見事なコンビネーションで、期待に応えていた。エギナを当り役としているマリーヤ・アレクサンドロワは、底抜けに明るい性格で、緊張した舞台の空気を和らげつつ、トップダンサーとしての輝きがリハーサルを支配していた。

初日の本公演を飾ったのは、もちろんイワン・ワシーリエフ。踊るために生きている!そんな気迫が客席の空気を震わせる。そしてフリーギアの理想像を創り上げた、エカテリーナ・マクシモワを彷彿とさせる、スヴェトラーナ・ルンキナ。妖艶で野心家のエギナには、エカテリーナ・シプーリナ。かつて先人たちが、名演技を残した難役クラッススには、アレクサンドル・ヴォルチコフ。『スパルタクス』は、全ての幕に大きな見せ場がある。1幕は酒宴の場での、エギナとクラッスス、ローマ軍が繰り広げる「バッカナール」。2幕冒頭にはスパルタクスと奴隷反乱軍の「アッピア街道」。そして3幕では、スパルタクスとフリーギアの愛のアダージオ。また、全幕に渡ってグループに分けられた群舞が対比しながら、凄まじい大音響のオーケストラの波に乗って、主役の置かれている立場を表していく。『白鳥の湖』とはまた違う、バレエの迫力や醍醐味で、新しい舞台の楽しみ方を養える『スパルタクス』を見逃さないで欲しい。

『スパルタクス』は2月1日(水)・2日(木)に東京文化会館、5日(日)に愛知県芸術劇場にて上演。なお今回の日本公演では『白鳥の湖』[2月4日(土)・9日(木)東京文化会館、12(日)兵庫県立芸術文化センター]と『ライモンダ』[2月7日(火)・8日(水)東京文化会館、11(土・祝)兵庫県立芸術文化センター]も上演される。チケットは発売中。

文:高橋恭子(舞踊ジャーナリスト)
5月の東京・帝国劇場を皮切りに、全国4大都市で上演されるミュージカル『エリザベート』に人気子役の加藤清史郎が出演することが決まった。

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『エリザベート』はウィーン生まれの大ヒットミュージカル。日本では宝塚歌劇団、東宝株式会社製作版の2バージョンで上演されているが、今回の上演は“東宝版”。2000年の初演から上演を繰り返し、今までに903回の公演数を誇る。

オーストリア・ハプスブルク帝国の皇妃エリザベート(春野寿美礼、瀬奈じゅんのダブルキャスト)の生涯を綴る物語だが、今回、加藤清史郎が演じるのはその息子、皇太子ルドルフ。エリザベートと同じ思想を持ち、父親である皇帝に反発し革命運動に参加するも、後に挫折、自殺する悲劇の王子だ。青年ルドルフには大野拓朗、平方元基、古川雄大のトリプルキャストが発表されているが、その少年時代を演じる。昨年、『レ・ミゼラブル』でミュージカルに初出演、その演技力と歌声でミュージカルファンも唸らせた加藤が、どんな悲劇の王子を演じるかに注目したい。なお、少年ルドルフ役は加藤のほか、坂口湧久(さかぐち わく)、鈴木知憲(すずき とものり)、山田瑛瑠(やまだ える)がキャスティングされている。

公演は東京公演が5月9日(水)から6月27日(水)まで帝国劇場にて、チケットは5月公演分が3月3日(土)、6月公演分が3月10日(土)に一般発売開始。その後7月に福岡・博多座、8月に愛知・中日劇場、9月に大阪・梅田芸術劇場でも上演される。

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